第188号 農から活性化

───全国のまちおこしを応援する注目メルマガ!────
  ┏─┓┏─┓┏─┓┏─┓┏─┓┏─┓┏─┓
  │週││刊││ま││ち││お││こ││し│
   ┗─┛┗─┛┗─┛┗─┛┗─┛┗─┛┗─┛
  第188号 発 行:株式会社船井総合研究所
       事務局:TEL 03-6212-2930 小林 祐司
       E-mail:info@machiokoshi.net
────────────────── 1,873部発行───
***************** 大 好 評  *******************
   ●○●○「週間まちおこしHP」○●○●
        http://www.machiokoshi.net/ 
これまでのメルマガ情報に加え地域ブランド創造チームの
情報が大幅にプラスされました。
★1.百行脚レポート ⇒ メルマガだけではお伝えでき
ない情報が満載。隠れた成功事例も多数レポートします!
★2.170号を超えるメルマガ・バックナンバーあり!  
    ◆http://www.machiokoshi.net/◆ 
*****************************************************
        今週のコンテンツ
■ 今週のまちおこし─『 農から活性化 』
■ 地域再生行脚100 -No.38-
             ~ 台湾のリソゴ~
■ 林業・材木関係の方々に向けセミナー
      「地域材ブランド化セミナー」のご案内
        11月12日開催!詳しくはこちら!
   ⇒ http://www.isozumi.com/semina/051112/
◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇
  
 ■ 農から活性化
 こんにちは、小林です。今週は久々にマクロな視点で
書きたいと思います。先日「東京ファーマーズマーケッ
ト2005」というイベントがあり、行ってきました。
これは、全国の野菜やお肉など日本のおいしい食材を選
りすぐり、東京丸の内ビル周辺や銀座などでの販売や催
事を通して、消費者と生産者に日本の「食」と「農業」
の未来について、ともに学び考えてもらおうというもの
です。
 会場に足を運んだところ、雨にもかかわらず、すごい
人込みになっていました。このイベントの目玉は、料理
界の重鎮といわれる有名シェフたちが国産の食材で実際
に自慢の料理を披露してくれ、参加者は料理の味を堪能
できる、というものでしたが、美味しい料理を食べられ
るこのイベントは、より一層の賑わいをみせていました。
 特定のイベントにこれだけの有名料理人が集まるのは
珍しいというほど、シェフたちの顔ぶれは豪華でしたが、
私自身は料理を食べたときよりも一番強い衝撃を受けた
のが、「メニューを考える上で、一番大変なことは如何
においしい食材を確保するかということ。日本の食材は
海外と比べても全く引けをとらない。むしろ美味しいと
もいえる。だが、今は外国産の食材が多く、国産の本当
に美味しい食材にめぐり合うことがとても難しくなって
いる。消費者と生産者を結ぶ立場の料理人にとってこれ
は、死活問題であり、今最も憂慮することなのです。」
というシェフ達のコメントを聞いたときでした。「世界
に知られる有名料理人たちが、日本の農業を盛り上げよ
うと考えているとは。」と正直、驚かされてしまいまし
た。
 日本の製造業貿易黒字はおよそ10兆円ですが、農産
物の貿易赤字が7兆円。製造業で稼いだ分が、農業で大
きく減らされている状態であり、いかに輸入農産物が日
本に多いかがわかります。国産のおいしい食材が食卓に
届かないということは、日本の農林水産業が衰退してい
くことに繋がります。
 ITの時代がどんなに進んでも、日本の地方経済を支
えるのは、今後も一次産業・農林水産業であることに変
わりはありません。イベントの実行委員で、かつて「ミ
スター円」として知られた榊原英資氏(現在は経済評論
家・慶応大学教授)の「日本人が国産食材のおいしさを
認識できなくなっている」というコメントを聞きながら
全国の地域活性化・まちおこしを進めて行くには「ニッ
ポンの食」という観点が不可欠だと強く感じた一日でし
た。(小林 祐司)
 ————————————————-
○執筆者紹介 小林 祐司(こばやし ゆうじ)
 船井総研入社以来、地域活性化、社会貢献をキーワー
ドに業務活動を行う。自治体、民間企業を問わずにコン
サルティングを続け、寝る間も惜しんで全国を奔走して
いる。「農」を通したまちおこしの研究も進めている。
★スーパーに行くと、仕事柄野菜の価格相場が気になり
ます。でも隣りの妻は、仕事ではありませんが、「今日
は高い!」などと、厳しい価格査定。ある意味私よりシ
ビアな鑑定眼を持っています。(^^)
◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇
■ 地域再生行脚100 -No.38-
             ~ 台湾のリソゴ~
今回は、まったくのプライベートで台湾に行って参りまし
た。こういった仕事をしていると、どこの地域にいっても、
純粋に旅を楽しむ+仕事の視点でものを見てしまうようで
す。台湾では色々な刺激に出会いましたが、ひとつ、地域
差ビジネスの現場をお届けしたいと思います。
さて、台湾には、いま世界一高いビルがあります。101
階建てのビル。名前は、単純「台北101」です。高さが
509mでして、日本一高いランドマークタワーが296
mなので、その違いは歴然としてています。世界最高峰&
世界最速エレベーター(時速約60km)が魅力的で、89
階の展望台まで30秒少しで上ります。しかも、耳も痛く
ならない工夫があるので驚きでした。展望台からみえる台
北の街は、きらびやかに光輝いており、夜風に当たりなが
らみたあの一望の景観は素晴らしく美しかったです。
それでも、世界一とはむなしいですね。2008年にはド
バイで建立する705m、160階立てのタワービルに、
抜かれるそうです。世界一という寿命の短さに、寂しさを
やや覚えますが、その高さ競争という戦いはもちろんまだ
まだ続くでしょう。人間の欲望のわかりやすさに、あくま
でも地震国家日本は、その世界競争から外れざるを得ず、
客観的にその戦いを傍観するしかないのでしょう。
さて、表題。「リソゴ」とは青森産「りんご」です。この
101の地下食品街(デパ地下)の生鮮青果売場を見てま
わりました。そこで色々と面白いものを見ましたが、ひと
つ「リソゴ」と表記されたひとつ300元(約1000円)
の青森産リンゴが綺麗に並べられていたのです。そのリソ
ゴの名前は、なんと、「世界一」。
こちらはどうやらそう簡単に抜かれることはないでしょう。
オンリーワンの世界一。青森の正真正銘の本場のリンゴで
す。ここ亜熱帯地域の台湾には珍しい果物です。ここから
三つのルールを見ました。
1)地域差は金になる
2)台湾富裕層は「日本」の「旬」と「質」を逃さない
3)リンゴはリソゴと間違える台湾の日本模倣文化がある
この3つを垣間見たのです。世界と名乗る青森のリンゴが
「リソゴ」と表記されつつも、台湾の富裕層には人気であ
り、その地域差が利益を生み出しているのです。どこでも
応用の利くビジネスでありますが、日本の材木も中国で売
れていることとつながるのでしょう。この傾向がいい悪い
かは別にして、私はこの台北101というデザインも最高
に美しく、見とれるほどシャープで美しく、ブルーに光り
輝くビルに陶酔しながらも、生々しいビジネスのおちゃめ
現場に出会えたことが嬉しい収穫でもあったのです。
~地域からの「発信」をアジアへ~
さいごにおまけです。
「Xす」と書いてある日本語表記のパンフレットがありまし
た。はて何だろう?と考えたのですがが、考えた末にこれは
「必ず」と読めるのです。文化輸入も文化加工輸入も、リソ
ゴやら、Xすをみると、たまに日本の中で英語のスペルを間
違った看板があることを想起してしまいますね。模倣文化も
模倣される側を見ると不思議な視点にたてます。アメリカ模
倣ジャパン。日本模倣台湾。なるほどと想いました。台北は
非常に勉強になります。海外旅行にいって、自分の地域に産
物が「売れるかどうか」「ウケルかどうか」そいう視点で旅
行してくるのも楽しいものですね。(古川大輔)
—————————————————
○執筆者紹介 古川 大輔(ふるかわ だいすけ)
経歴は農学部卒、同大学院卒で船井総研入社。今年度か
ら大学院時代の専門を活かしながら、地域創造・活性化
チームを創設。
現在「名もなき市町村のブランド化戦略」に挑戦してお
り、常に「持続可能」と「利潤追求」の2つのテーマを
追求している。
特に、林業・山村の活性化と、国内の材木需要の掘り起
こしに全国を奔走している。
◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

地方創生セミナーのご案内

コンサルタントコラム

ページのトップへ戻る