第079号 公共・行政サービスを考える

 こんにちは、日江井です。今私は、東京都の某免許更新セン
ターにいます。これから一般講習(1年前に駐車違反をしてし
まったため優良ドライバーではありません)を受けます。
自動車免許の更新は、視力検査や印紙の購入、講習会を経て晴
れて新しい免許が交付されます。
このような手続きには『行列』がつきものです。
特に視力検査の際には、4列ほどあるにもかからわず20人以
上が並んでいました。並ばれている皆さんは特にすることもな
く、手続きの書類を見ていたり(そんなに読む内容もないので
すが)、ぼーとしていたりしています。
窓口に整然と並ばせる方法は、免許更新の手続きをする側から
見れば効率が良い方法なのかも知れませんが、免許更新をする
(ドライバー)立場からみると、大変非効率な時間となります。
 一方、公共・行政サービスが民間企業と組んでまちおこしや
地域振興につながるような利便性の高いサービスを提供してい
る例もあります。
 たとえば、東京都武蔵野市が行っているムーバスです。これ
はバス停から300m以遠の地域を「交通空白地域」、バスの
便が一日100本以下の地域を「交通不便地域」とし、その解
消をめざして吉祥寺駅東側地域・北西地域、境南地域、三鷹駅
北西地域の4路線でムーバスを運行しています。
料金は、大人子供ともに100円です。関東バス、小田急バス
が運行しており、経費の不足分について武蔵野市が補助するこ
とになっていますが、2路線については黒字となっています。
また、運行経費の削減と高齢者の再雇用のため、一部の便を除
き定年退職者がバスを運転しています。
このことにより、交通手段がなく街中へ買い物などへ出かける
ことを躊躇していた方が外出する機会が増えたことなどの効果
が出ているようです。
そのほかにも、日本郵政公社が某大手コンビニエンスチェーン
や某運送会社と組んで消費者にとって利便性の高いサービスを
提供しようとしているなどの動きもあります。
 このように現在の公共・行政サービスはプロダクトアウト型
(生産者や提供者側の論理・都合・感性により提供すること)
からマーケットイン型(消費者・利用者の視点に立った提供)
へと移行しています。
『消費者の求めるものを提供する』…これから公共サービスも
本格的なマーケティング”シコウ(思考・志向・指向)”の時
代となっていくようです。(日江井)
◆東京都武蔵野市HP(ムーバス紹介)
 ⇒ http://www.city.musashino.tokyo.jp/section/08030koutuu/m-bus/index.html
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○今回の執筆者紹介 日江井 泰宏(ひえい やすひろ)
某都市計画系建設コンサルティング会社を経て、株式会社船
井総合研究所に入社。「マクロで物事を考え、ミクロに行動
する」ことをモットーに即時業績向上・目的達成と組織体の
体質改善の継続的な仕組みづくりを目指したコンサルティン
グを行う。
<得意分野>
●販売戦略立案(ターゲット、販路、販促、ツール等)
●施設活性化コンサルティング(売上・モチベーション向上)
●店舗開発企画プランニング

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