第073号 身近な取り組みから

 地元のゴミひろい運動に参加しました。普段から「なんだか
駅の周りにゴミが多いなぁ」と思っていたある日、「当日飛び
込み可能」という触れ書きで住民達がせっせとゴミ拾いをして
いたので、一声かけて参加させてもらいました。
 参加しながらいろんな人と話をすると、この運動を立ち上げ
たのは商店街の人たちで、まずは足元をきれいにすることから
始めよう、というのが発端のようでした。
 何回かやるうちに子供達も参加するようになりましたが、好
奇心旺盛な子供達は、どうしてこんなにゴミがでるのか、拾っ
たゴミはどこにいくのか、といった疑問を大人たちにぶつけて
きて、近々、住民主催のゴミ勉強会を開くことになったという
のです。
参加している大人たちも、商店街活性化のよいステップになる
のではと喜んでいました。
 まちおこしに成功した地域の成功要因をあげていくと、住民
主体、つまり住民がまちおこしを自分達の問題と考えて取り組
んだことがあげられます。
 住民主体と言っても「言うは易し」で、住民自ら活動する状
況をつくることは、とても難しいのも事実です。
 この駅前商店街の場合は、ゴミ拾いを通じて、子供達がまち
の活動に興味を持つようになったことで、多くの住民が巻き込
まれ、「住民主体」が動きはじめたよい例だとおもいます。
 しかし考えてみると、ゴミ拾い運動自体は、その気になれば
どこのまちでも誰でもできることです。ここから人々が自分の
まちのことを考え始めたというのは、興味深いことです。
まちおこしで、なかなか住民が盛り上がってこない、というと
ころがありましたら、「ちょっと頭でっかちだったかも知れな
い。」と視点を変えて、身近な問題から取り組んでみてはいか
がでしょうか。
裏山の手入れだったり、公園やまちを流れる川をきれいにする
ことだったり…地域には他にも住民みんなが参加しやすい身近
なことがたくさんあると思います。
 たとえ小さなことでも、「地域のために何か行動する」とい
う土壌をつくることから、住民主体のまちおこしが始まるので
はないでしょうか。(小林 祐司)

地方創生セミナーのご案内

コンサルタントコラム

ページのトップへ戻る