第070号 小さな一番から

 四国・香川の「讃岐うどん」といえば、知らない人はいない
と思います。ここ数年讃岐うどんの人気がどんどん上がってい
て、地元はもちろん、関東・関西でも「本場の味・讃岐うどん」
ということで新しいうどん屋が次々とオープンしています。
 また、JR四国が昨年から実施している「さぬきうどん探検
バス」はほとんどが満席状態で、今年は首都圏から四国方面へ
の旅行者は予約を含め7~9月は昨対比平均30%増と、非常
に好調な数字となっています。
何故ここまで人気があるのでしょうか。
 
 まず、香川県人が一年間に食べるうどん玉の数は130玉で、
全国平均が約40玉ですから、ざっと4倍の数字であり、これ
はダントツの日本一です。また、うどん一玉の平均価格や県内
単位面積あたりのうどん屋の数は、日本トップレベル。さらに
はインターネット上に実に様々なホームページが存在しており、
ネット上のうどん情報に関しても日本一と言えるでしょう。
 一番は二番に比べて圧倒的に記憶に残ります。このメルマガ
でも何度かご紹介したように、何か一つ、一部分でも一番にな
ることで、周囲に大きな影響力をもつことができます。
例えば日本で一番売れているうどんの値段は、全国のうどんの
値段に必ず影響を与えたりするわけです。その「一番」の地位
を獲得することで、周囲の競合やお客様へのアピールなど、多
くの点において有利なポジションにたつことができます。
船井総研では、これを「一番主義」と呼んで、経営支援の様々
なところで取り入れています。まちおこしでも各地で成功して
いる手法です。
 讃岐うどんには、上に述べたように全国でも一番の要素がた
くさんあり、これが大きく人気を伸ばしている理由と言えるで
しょう。
 「一番」は、想像するよりずっと身近なものです。全国で一
番でなくともまずは地域で一番、品質で一番、というように、
まず何でもいいので小さな一番の要素を見つけアピールするこ
とです。
 それがやがては日本一に発展していくかもしれません。みな
さんのまちでも必ず何か一番の要素があるはずです。それを突
破口にして、地域の個性や魅力をアピールしてみてください。
                    (小林 祐司)
◆ 讃岐うどんの関連情報
 ⇒ http://www.shikoku-np.co.jp/udon/

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