第066号 良い技術・商品なら?

 以前とある地域で、新技術や新商品の拡販を自治体の補助金
を受けてお手伝いをしていた時のことです。
「この技術はこれまでの●◎よりも▲×が良いんだよ。なのに
なんで売れないんだろうか。」という社長の言葉に、私はしば
し考えさせられました。
 確かにその技術は日本で初めて実用化したものでしたが、ま
ったく売れていませんでした。日本で初めての技術、優れてい
る技術が必ずしも売れるとは限らないのです。
『この世に存在するものは、必要だから存在する』。
当たり前だろうっ!!、というツッコミが入りそうですが、毛
虫やゴミブリ、そしてタトゥーも(ファンの方スイマセン)必
要だから存在するのです。
必要でなくなったら、淘汰されます。これは良い悪いという議
論を超越した自然の摂理なのでしょう。
 商売でもセブンイレブンに代表されるように、売れているも
のでなければ、死に筋商品として淘汰されていくのです。
いくら「売りたい」、「作りたい」といっても、売れるもの、
つまり買い手がいるモノではないと取引・交換が成立しないの
です。
このことは、各地域で生産・販売されている特産品や農水産物、
ベンチャー技術・商品が思うよう売れないと言う状況にも当て
はまります。
作り手の論理でいくらハイレベルであっても、必要以上の技術
・サービス・特典は不要ということです。
 買う人が買いたいと思える機能や価値を提供できるモノであ
り、そのことが消費者に伝わって初めてモノは売れます。売れ
なけば、どんなに苦労して作ったものであっても、決して報わ
れないのです。
 せっかくの良い技術や商品を淘汰させないために、マーケテ
ィングがあるのです。 (日江井)

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