第059号 先に答えを持つ

いま、ある地域で大型リゾート施設の経営再建プロジェクト
に携わっています。いろいろな事情があって、今回のプロジェ
クトはいつもと少し進め方が異なっています。
 どう異なっているのかといいますと、タイトルにある「先に
答えを持つ」ということなのです。通常、私どもが仕事にあた
る時は「仮説を持つ」ということをします。何の仮説もなく仕
事をしようとすると、方向性は無限に広がってしまい、結果と
してあまり重要でない業務に時間を割いてしまったり、逆に大
切な部分に充分力を入れていなかったりということが起きてし
まう可能性があるのです。
 そこで、「たぶん、解決の方向はこっちだろう」というよう
に仮説をつくって、それを検証し、必要があれば軌道修正しな
がら、最終的な結論に到達するのです。
 しかし、この「仮説を持つ」ということと、「先に答えを持
つ」ということはニュアンスがかなり違っています。「答え」
とは事業目標そのものです。「たぶん、こっち」ではなく「絶
対にこうならなければならない」という強い意味を持っていま
す。
 「答え」を先に持つと、すべての仕事は「それを実現するた
めにどうすれば良いのか」という一点に集中します。これは大
変効率的でスピーディです。そして何よりも、実現に向かうパ
ワーが違います。
 調査して分析して検討して…というプロセスは慎重であり、
客観的ですが、その反面、時間がかかる割には実現に向かうパ
ワーが弱かったり、常識にとらわれすぎたりしてしまいがちで
す。
 おそらく歴史上偉業と呼ばれる様なできごとも、「先に答え
を持つ」ということから始まったのではないでしょうか。荒唐
無稽とも思える答えを先に持ったからこそ、常識を覆すような
結果を実現させることができたのだと思います。
 今回のプロジェクトでは荒唐無稽かもしれない答えに向かっ
て、いま必死に実現の方法を探しています。最大の難敵は、自
分の中の常識かも知れません。(望月)

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