第058号 集中して情報発信

 東京から埼玉県を走る西武池袋線をご存知でしょうか。山手
線の池袋駅を起点として、野球チーム・西武ライオンズの本拠
地がある所沢も通る私鉄のことです。最近引越しをして、通勤
路線として利用しています
 この西武線、一度利用すればとお分かりになると思いますが
駅のホームから電車内、改札口といたるところに、松坂大輔や
松井稼頭央、そしてカブレラといったライオンズの人気選手の
ポスターが貼られていて、西武ライオンズが徹底的にアピール
されています。沿線のスーパーマーケット西友の中もやはりラ
イオンズの選手で一杯です。昨シーズンにリーグ優勝して以来
その傾向はますます強まっているのではと感じます。
 西武線沿線には、いろいろなまちや観光施設があり、また西
武鉄道グループは多くの事業を展開していますので、PRした
いものはたくさんあると思います。しかし、実際はその中でも
西武ライオンズへの力の入れ方が群を抜いているのです。
 私は元々が広島育ちです。やっぱり応援する球団は広島カー
プ(関東では少数派…)ですが、ライオンズ選手のポスターの
おかげで、かなりライオンズに親近感を抱くようになってきま
した。その日の試合結果が気になることもしばしばです。
 このように一つのものを強烈に宣伝する方法は、まちおこし
でも効果があります。要は、一定の空間内や誰もが利用する場
所の中で一つのものを徹底的にアピールし続けることで、人は
知らず知らずに影響を受けてしまうのです。
 見知らぬまちに立ち寄ったとき、「このまちの最大のウリは
何だろう?何をアピールしたいんだろう?」と思うことが時々
あります。仕事柄たくさんのまちを訪れましたが、ほとんど記
憶に残っていないまちもたくさんあります。
 まちを訪れた人達に、とにもかくにも伝えたい事を一つだけ
に絞って徹底的にアピールしたならば、記憶に残るまちにする
ことも出来るだろうな、と毎日通る改札横にあるライオンズの
試合結果を眺めるたびに感じています。(小林)

地方創生セミナーのご案内

コンサルタントコラム

ページのトップへ戻る