第047号 長所伸展法とまちおこし

 船井総研では、月に一度、全体会議といって、東阪の事務
所それぞれで会議が行われます。先日の東京の全体会議の場
で、船井幸雄会長が、「長所を伸ばすことで、経営も人生も
うまく行く」ということを話されていました。
 長所伸展法という言葉は、船井総研に入社して以来、数え
切れないくらいに接してきました。気が付くといつの間にか
短所に目をやってしまっている自分に気づき、自戒したこと
も同じくらい数え切れません。
 「長所を伸ばす。」簡単な言葉ですが、とても奥が深いよ
うです。
 以前、広島県高田郡美土里町にある「神楽門前湯治村」と
いう観光施設(第3セクター)の社長をされている溝本氏と
お話しした時のことです。
 神楽門前湯治村は山の中にあり、駐車場から施設まではか
なりの距離を歩いて登らなくてはならない状態でした。
 そこで山の一部を切り崩し、駐車場を整備しようという話
が持ち上がったのですが、溝本社長は頑として反対し、駐車
場整備計画をストップさせてしまったそうです。反対した理
由は、「お客様は山の中の神楽門前湯治村を楽しみにいらっ
しゃるのであって、便利さを求めているわけではない。便利
に整備したら、かえって湯治村の良さが失われてしまう。」
ということだったそうです。このお話しをうかがったとき、
「溝本社長は神楽門前湯治村の長所を完全に理解し、それを
伸ばそうとしている。短所や欠点を改善しようとするよりも、
長所を徹底的に伸ばす、これこそが長所伸展法だ!」と感心
し、すっかり溝本社長のファンになってしまいました。
 溝本社長は元々役場の方で、いまは社長から企画調整課長
に戻られていますが、まったく役人らしくない人物でした。
 人口4千人に満たない小さな町がチャレンジした「神楽門
前湯治村」では、溝本氏をはじめとして美土里町の住民のみ
なさんが作り出し、大切に磨き上げてきた素晴らしい長所を、
たくさん発見することができます。
◆美土里町役場ホームページ
 ⇒ http://www.akitakata.jp/midori/main.html

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