第204号 リスクに負けるな

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  第204号 発 行:株式会社船井総合研究所
       事務局:TEL 03-6212-2930 小林 祐司
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        今週のコンテンツ
■ 今週のまちおこし─『 リスクに負けるな 』
■ 地域再生行脚100 -No.54-
      ~川俣町(絹・コスキン・川俣シャモ)~
      
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 ■ リスクに負けるな
 こんにちは、小林です。地域にしても企業にしても新
しい商品やサービスを開発したり、消費者に提供すると
きに、「うちは、この商品(サービス)ならば現状でも
お客さまに提供できるので、早速始めてみよう」といっ
て、現時点で自分たちのできる範囲内のことを始める事
があります。一方、「今のままでは、商品(サービス)
は提供できないが、必ず業績向上に貢献するだろうから
体勢を整えてでも取り入れてみよう」と、リスクはある
ものの、自らにない新しいことを取り入れるケースもあ
ります。
 さて、この2つのパターンは似て非なるもの。前者は
「プロダクトアウト=できることをやる」あり、後者は
「マーケットイン=今流行っているものを取り入れる」
と言われます。どちらが優れているとは一言ではいえま
せんが、最近の事例をみていると、マーケットインのほ
うが、後々上手くいくケースが目立っているように感じ
ます。しかし、マーケットインは、一般に大きなリスク
も伴います。
 最近の事例:熊本県の大型商業施設の例です。元々は
年配客が9割近くを占める健康ランドでしたが、年々集
客と単価が下がり、売上は目減りする一方でした。そこ
で昨年4月、非常に思い切った大リニューアルを実行し
ました。大まかな内容は以下の通りです。
 ●浴場以外のほとんどを、フィットネスクラブのよう
  な雰囲気に一新した。
 ●欧米や日本の都市部で流行りつつあった「ホットヨ
  ガ」を取り入れ、10名以上のインストラクターを
  用意。週に20クラス以上のプログラムを組んだ。
 ●若い客層が好むような飲食メニューや物販メニュー
  を取り入れた。
 すべて、今のままでは自分達にできないことを取り入
れ見事軌道にのせました。
しかし、リニューアルオープンした直後は、それまで主
流だった年配のお客さまが40%以上減り、アンケート
には「自分たちのゆっくりできる店を返せ!」、「社長
は交代しろ!」とすごいことをかかれました。ひどいの
は「社長死ね!」というのもあったほどです。しかし4
ヵ月後には、客単価がかつての150%になり、下がっ
ていた売上はリニューアル前よりもどんどん伸び始めま
した。また、新たに若い女性客が一気に増加しました。
先日その社長と再び話しをしましたが、「今の売上は昨
年対比で2ケタアップになりました。ホットヨガなどは
新たに1億円の粗利を生んでいます。リスクに負けずに
トライしてよかったです。」とおっしゃっていました。
 このケースで、もし自社でできることを徐々に目減り
していた年配客を対象にうったとしても(プロダクトイ
ンを実行したとしても)、ここまでの爆発的な結果はな
かったはずです。むしろ、時流を読んで今後業績を伸ば
すだろう新たなサービスを果敢に取込んでいった(マー
ケットインに徹した)結果が、飛躍的な業績向上につな
がったといえるでしょう。しかも既存のお客さまを失う
という大きなリスクを乗り越えての結果です。
 皆さまも現在さまざまなことにトライしていると思い
ますが、世の中の流れを読み、新たなサービスを始める
ことも、まちおこしにとってひとつは良い方法です。当
然リスクを含むし簡単ではありませんが、一般に「マー
ケットイン」は、大きく飛躍する可能性を秘めています。
もし、「マーケットイン」で何かをはじめようとしてい
るならば、短期的なリスクに負けずに果敢に攻めていっ
て、大きな成功を手にして欲しいと思います。
                  (小林 祐司)
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○執筆者紹介 小林 祐司(こばやし ゆうじ)
 船井総研入社以来、地域活性化、社会貢献をキーワー
ドに業務活動を行う。自治体、民間企業を問わずにコン
サルティングを続け、寝る間も惜しんで全国を奔走して
いる。「農」を通したまちおこしの研究も進めている。
★ホットヨガを試させてもらいました。90分プログラ
ムでしたが、半端なく大変でした。最初の30分で「三
途の川」が見えた気がした・・・。(××) 
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■ 地域再生行脚100 -No.54-
      ~川俣町(絹・コスキン・川俣シャモ)~
こんにちは。船井総研、古川です。今回はメルマガ20
0回記念として、無料行脚(プレコンサルティング)に
足を運んできました福島県川俣町(福島市に隣接)のお
話です。
新幹線で東京から福島駅に降りますと、西側に雪が被っ
た大きな山脈が背後にそびえていました。東京に比べて
グっと気温が落ち、やはり福島は東北であるということ
を体感しました。駅からバスで約30分。役場職員に案
内され、町のご説明をうけ、その後、現場に案内して頂
きまして、町の今後の方向性についてなど熱く語ること
ができました。
ありがとうございます。この町の三つの特徴をまずお伝
えたいと思います。
①平安時代からの絹の町 
 ・伝統を守りながら技術の集結した「絹」を贈る
 ・ルイヴィトンなどに高級品に使用
 ・オイルショック以後、織屋も激減(現在20件ほど)
②川俣シャモの町
 ・川俣町農業振興公社が音頭をとり昭和58年に開発
 ・福島市内に店舗ができて、地元での提供を強化
 ・歯ごたえ抜群!ヘルシー!
③コスキン
 ・フォルクローレの聖地で本場アルゼンチンとの交流
 ・小学校4年生にケーナ(縦笛)を全員に贈り教育へ 
 ・年一度、150チームが参加し演奏を繰り広げる
かつての絹の町から大きな変容を遂げてきました。この
3つの特長は新旧混合のバランスがあり、メッセージ性
の強い町でうらやましくもありました。「ここにしかな
いを伝えたい」そういう想いがひしひしと伝わって参り
ます。その中で、ある役場職員さまからこのような質問
がありました。
「公的組織(役場、第三セクターなど)が利益追求をす
ることはいいのでしょうか?」
稼げば・・・・「民業圧迫?」 といわれ
赤字だせば・・・「税金垂れ流し?」
どっちやねん!となります。それに対するご質問でした。
これはどこの公的施設も言われることです。ちょうどう
よく儲ける。ちょうどよく利益を上げるという曖昧な設
定はかえって経営を困難にします。現在、財政難を問わ
れ予算が縮小し、様々な施設で運営を見直され、「経営」
の質を要求されています。
そうです。
市町村が営業する時代です。
市町村が利益を追求する時代です。
もし公的機関でその経営の動きを迷っているのであるの
ならば、稼げばいいことですと私たちはお伝えしていま
す。
民業圧迫というのは被害妄想的な部分もあり、実際は相
乗効果のほうが多いものです。儲けなければ税金垂れ流
しといわれ、儲ければ民業圧迫といわれるのであれば、
後者がよいわけです。地域の資源をキチント利益につな
げて、市町村行政への明るい話題となるほうがいいわけ
です。
川俣シャモの魅力は、役場職員の熱意、そして地元への
働きかけあってこそですが、前向きに動く市町村に出会
えて、大変私も元気になりました。最終的に、自立自発
自前へ。
それを見通して、公的機関が利益を上げていこうとして
いるようです。地元の産品で利益を上げていこう。こう
いった動きが川俣のみならず色々な地域から勃興してい
くことを願ってやみません。また元気を頂きました。
(古川大輔)
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○執筆者紹介 古川 大輔(ふるかわ だいすけ)
経歴は農学部卒、同大学院卒で船井総研入社。今年度か
ら大学院時代の専門を活かしながら、地域創造・活性化
チームを創設。
現在「名もなき市町村のブランド化戦略」に挑戦してお
り、常に「持続可能」と「利潤追求」の2つのテーマを
追求している。特に、林業・山村の活性化と、国内の材
木需要の掘り起こしに全国を奔走している。
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