第187号 シニア村

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  第187号 発 行:株式会社船井総合研究所
       事務局:TEL 03-6212-2930 小林 祐司
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        今週のコンテンツ
■ 今週のまちおこし─『 シニア村 』
■ 地域再生行脚100 -No.37-
  ~ 日本最小PFI道の駅 ~ 鹿児島県 指宿市
■ 林業・材木関係の方々に向けセミナー
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 ■ シニア村 ~茨城県龍ヶ崎市~
 コーポラティブ方式により建築された住宅ってわかり
ますか? まず、「コーポラクティブ方式って何?」と
いう方も多いのではないかと思います。これは「自ら居
住するための住宅を建築しようとするものが組合などを
結成し、共同で事業計画を定め、土地の取得・建物の設
計・工事発注・などを行い、住宅を取得・管理していく
方式」です(昭和53年3月、国土交通省住宅局)。ド
イツでは全住宅の約10%、ニューヨークでは約20%
が採用されており、一般的な住宅取得形態の1つとなっ
ています。日本でも189戸だったのが、3年間で65
2戸に増えるなど実績が一気に高まってきました。
 本日、そのコーポラクティブ方式でのマンション建設
を進めている今美利隆(いまみ よしたか)さんという
方とお会いしてきました。今美さんは現在進行中の建築
計画の発起人であり、「シニアの方や障害を持った方が
より満足できる「終の住み家」とはどういうものか、自
分や自分の親だったらどんな家がいいのか、暮らしやす
いかをずっと考えてきて、行き着いたのがコーポラティ
ブ方式によるシニアマンションでした。」という考えの
もと、マンション名を「シニア村」と名づけて、アイデ
アを具体的に実行されている方です。
実際にお話をお聞きして強く感じたことは、
● コーポラティブ方式の需要が今後は益々増える
● 高齢化が進むにつれて顕在化するであろうコミュニ
  ティ構築の問題について、コーポラティブ方式の住
  宅・マンションは、その解決に大きな可能性をもっ
  ている
ということです。既に高齢化社会に入った日本では、高
齢者の自立した生活が難しくなる場合や、家族負担が増
すケースが見られるようになりましたが、シニア村のよ
うな形であれば、入居者同士が助け合いながら生活でき
ます。また、近所との交流が減り易い都会などでは会話
や生きがいを持つ事が難しくなりがちです。こういった
高齢者の増加が今後は予想されますが、コーポラクティ
ブ方式ではこれらは同時に解決されます。シニア村でも
共同生活に合わせて、貸し農園や周辺団体とのイベント
介護サービスなども用意し、ただ生活するだけでなく、
空間自体が楽しいサロンになる、そんなコミュニティの
構築を想定されていました。
 現在は、基本計画が策定された状態で、工事の開始予
定が来年の夏からということでしたが、すでに最大30
世帯募集のうち、約20世帯の入居がほぼ確定していま
す。入居者にとっては決して小さな投資ではありません
が、お問合せや申し込みの数に、今美さんは確実な手ご
たえと自信をお持ちになっていました。まだ更地の予定
地で、控えめながらもプランを語る今美さんの目には、
既に「シニア村」の姿がありありと見えているようでし
た。(小林 祐司)
◆まだ応募が間に合う!「シニア村」公式サイトはこちら
 ⇒ http://www.shinia-mura.com/index.html
 
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○執筆者紹介 小林 祐司(こばやし ゆうじ)
 船井総研入社以来、地域活性化、社会貢献をキーワー
ドに業務活動を行う。自治体、民間企業を問わずにコン
サルティングを続け、寝る間も惜しんで全国を奔走して
いる。「農」を通したまちおこしの研究も進めている。
★龍ヶ崎市は、自然と便利な生活がほどよくマッチした
とても住み易い環境でした。私が住む東京都練馬区は、
やはり自然が足りません・・・(;;)
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■ 地域再生行脚100 -No.37-
~ 日本最小PFI道の駅 ~  鹿児島県 指宿市
みなさま、こんにちは!!!近頃めっきり寒くなってまい
りましたが、今回はちょっと南の鹿児島県、指宿から活性
化の小さな種をお送りいたします。
今回のテーマ、それは、PFIです!!!
PFIってなに?と思う方も多いと思うので、ちょっと車
にたとえてみると、、
【従来の公共事業】
鹿児島から指宿を1時間で走る黒塗りのベンツを作ってく
ださい。使用はV6エンジンで、ここは○○であそこは×
×で、、、、、、
【PFI】
鹿児島から指宿を1時間で走る車を作ってください。以上
ということは、、、車はベンツでもカローラでも良い、さ
らに言えば、木製でも鉄製でもいいわけですね。そうすれ
ば、民間のアイデア、ノウハウがたくさんもりこめる。さ
らにPFIは、今話題の指定管理者制度よりも長い15年
(モノによって運営期間は異なる)程度の運営が加わるの
でますます民間のノウハウが活かせます。
余談ですが、今の公共事業にいわゆる無駄が多い理由は、
設計、建設、管理・運営がバラバラになっている点にある
と言われています。
例えば、、「管理・運営する側の意見が設計や建設に反映
されず、できたら結局使わない部屋がたくさんあった」、、
なんてことはザラです。
さてさて、そんなPFIを使った道の駅「いぶすき」はど
んな道の駅だったのでしょうか。
【PFIを使った道の駅 いぶすき】
まず目に入ってくるのが、ショッキングなイエローののぼ
り!!中には、キャラクターの「菜の花」と「そらまめく
ん」。そうこの町は、砂蒸し風呂と菜の花、そしてソラマ
メの町なのです。
まちの長所を全面に押し出す、という担当官の下吉さんの
言葉どおり、指宿のまちの入り口にふさわしく、色々な情
報が、そして帰りにはお土産も手に入ります。
事業費もPFIの名にふさわしく、な、なんと、、、、、
36.7%の縮減
で、1億円以上をカットすることに成功しています。
下吉さんいわく、、、
「国土交通省が立てたトイレとの質の違いは歴然。圧倒的
にこちらが劣ります。でも見てください。この道の駅には
ほとんど無駄がありません。あらかじめ、運営側の意見が
ふんだんに取り入れられた結果です。これこそがPFIの
一括発注の強さなんですね。」
そして、なによりおばちゃんたちの笑顔がまぶしい。
ここで開発された商品は地元のビワのピューレを用いたビ
ワソフトにはじまり、現在は菜の花の密をつかったマドレ
ーヌが話題を呼んでいます。
こういう商品開発に地元が真摯に携わり、それによって、
お金が入る。なにより、人として成長する。その結果とし
て、ようやく地域が活性化するんですね。いやはや感動し
ました。
これから徐々に、地方分権は加速し、より多くの権限が地
方に付与されます。そうなったときに生き残れる地域とい
うのは、こういった形で地元の力をPFIなどでどんどん
吸収できる革新的な自治体であるのは間違いありません。
自分の力を確信しつつも、おごらず、革新する力をもつ。
それこそが、21世紀に真にリーダーたる自治体の姿なの
でしょう。(杤尾圭亮)
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○執筆者紹介 杤尾 圭亮(とちお けいすけ)
 船井総研入社後、地域ブランド創造チームの創設する。
これまでに、多くの地域を行脚し、地域活性化の核をさが
し続け、多くの地域の活性化に携わっている。
現在は、特にPFIのアドバイザリー業務によって、地元
の、地元による、地元のための公共事業として、地域完結
型のPFIを提唱し、コンサルティング業務として進めて
いる。
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