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毎年この時期になると、私はとても楽しみにしていることが一つあります。 それは光による街頭のライトアップです。寒さが厳しくなると外へ出るのがおっ くうになるものですが、この時期は時間を見つけては喜び勇んで出かけてしま います。最近では冬の風物詩として全国各地で開催されていますが、代表的な ものとして「神戸ルミナリエ」が挙げられます。 「神戸ルミナリエ」は毎年12月の2週間余りに限定して開催されている、 合計23万個もの電球を使った光のモニュメントによるイベントです。通りを 埋め尽くす電飾のデザインは圧巻であるとともに、荘厳な雰囲気さえ醸し出し ています。 ご存じのように「神戸ルミナリエ」は、阪神・淡路大震災犠牲者の鎮魂の意 を込めるとともに、都市の復興・再生への夢と希望を託し、大震災の起こった 1995年に初めて開催されたイベントです。一時期は運営費の捻出が難しく、 継続開催が危ぶまれていた時期もありましたが、市民からのカンパ、またスポ ンサーの獲得にとって、現在でも継続して開催されています。資金面がクリア された今、「神戸ルミナリエ」は神戸を象徴するイベントとして永続していく ことでしょう。 「神戸ルミナリエ」が定着した成功要因となったのは、イベント・モニュメ ントの完成度の高さにあることもさることながら、「鎮魂と復興」という明確 なイベントの目的を持つことによって、人から人へと言い伝えられる力を持ち 得たことにあると考えられます。もしルミナリエを単なるクリスマスイベント と位置づけていたならば、運営の危機を逃れることは難しかったでしょう。神 戸という商圏の決して大きくない地域でありながら、他県からの集客にも成功 している理由はここにあります。 (増島 清人)
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