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前回地域ブランドづくりの事例として熊本県菊池郡七城町の話をとりあげま した。ところで、「地域ブランド」とはどうやってつくられるのでしょうか。 「ブランド」という言葉から、みなさんは何を連想しますか。具体的なブラ ンド名をいくつか思い浮かべた方もいらっしゃるでしょう。高級ファッション ブランドや自動車や腕時計を思い浮かべたかも知れません。さて、そのブラン ドはどんな特徴を持っているでしょうか。 ひとつのブランドには、必ず特定の価値が約束としてついています。約束と は、その価値の提供が「必ず実行されていて、結果が保証され、未来に永続し ていること」です。この約束が果たされつづけ、顧客の絶対的な信頼を得てい るとき、はじめてブランドとなるのです。 決して高級だからブランドになるわけでも、格好良いロゴマークがあるから でも、派手な宣伝をしているからでもないのです。どんな超一流ブランドも、 はじまりは田舎の頑固職人だったり、くそ真面目な技術者だったりするのです。 ファッションブランドも地域ブランドも全く同じです。地域の名前とともに、 顧客に提供している価値は何でしょうか。その価値を徹底して守り、提供しつ づける約束をすることがブランドづくりの本質です。 そして、もしもその最初の約束が果たされなくなれば、ブランドはあっとい う間に信頼を失い、価値がなくなります。最近食品業界などで、せっかくのブ ランドが、約束を破ることで一瞬にして崩れ去る事例が相次いでいます。信頼 を得るためには長い時間が必要ですが、信頼を失うのはほんの一瞬なのです。 本当のブランドは一朝一夕にはできません。でも、今日からはじめられるの がブランドづくりでもあるのです。「自分たちはどんな価値の提供を約束でき るだろう。」それを決めるのがブランドづくりのはじまりです。 (望月 義尚)
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