第249号 不可欠なもの

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  第249号 発 行:株式会社船井総合研究所
       事務局:TEL 03-6212-2930 小林 祐司
       E-mail:info@machiokoshi.net
────────────────── 2,009部発行───
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        今週のコンテンツ
■ 今週のまちおこし─『 不可欠なもの 』
■ 地域再生行脚100 -No.97-
         ~河ふぐ~【天竜 榊原商店】
◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇
■ 不可欠なもの
 年末に、ある地域の会合で、まちを活性化するために
不可欠なものを目の当たりにしました。目で見えるもの
ではないですが、それなしでは決してまちおこしは成功
しないもの。答えは、聞くものにビシビシと伝わる「当
事者の強い想い」です。
「強い想い」。物差しでは計れないものの、語りを聞け
ば聞く程にこういったものは相手に響くものなのでしょ
う。会合を始めて1時間ほどで、当事者の方から発せら
れる一連の話は、その時は地域の概要とこれまでにとっ
た処置、市場を取り巻く現状と今後の目標についてでし
たが、驚くほど鋭い分析と評価が散りばめられ、真剣に
何度も熟考したであろう事が即座に感じ取れました。ま
た、強い想いを持った本気の方は、変な話ですがまっす
ぐにこっちの目を見ます。会話は、意思や真剣さを確認
し合うような鬼気迫るやり取りとなり、終わった時には
経も知れぬ信頼感を相互で持つに至りました。「ああ、
この人は、本気だ!」と幾度も思いました。
 まちを活性化するために「想い」さえあればうまくい
くとしたら、それは間違いで、先の活性化の為のありと
あらゆる実務の段階で、想いだけでは突破できない困難
が山のように横たわっています。さらに全国には成功例
と同じか、それ以上に失敗例もある事実が、「想い」は
活性化の必要十分条件でない事を証明しています。 た
だし、経験値だけで言うなら、原点ともいえる「想い」
がなければ、100%失敗でしょう。「想いのない活性
化」は、「失敗」のための必要十分条件であり、その意
味で成功を渇望する「強い想い」は、今更ながら必要不
可欠なものと断言できます。
 打合せ後、地域の主な現場を見に行きました。目立っ
たのは解体途中の旅館や、特に利用されていないだろう
空っぽの土地。一見しただけでは「さびれ行くまち」と
も取れる状態でしたが、当事者たちの「強い想い」を見
た後だけに、1年後の飛躍に向けて頑張る姿、活性化し
ている姿を想像せずにはいられませんでした。
(小林 祐司)
●偉大な啓蒙家は言いました。「やろうと奮い立った
ならば半分できたようなもんだ」と。これってあなが
ち間違ってないと思います。q(^^)p
————————————————–
○執筆者紹介 小林 祐司(こばやし ゆうじ)
 船井総研入社以来、地域活性化、社会貢献をキーワー
ドに業務活動を行う。自治体、民間企業を問わずにコン
サルティングを続け、寝る間も惜しんで全国を奔走して
いる。モットーは「コンサルタントは、業績上げてナン
ボ!」。
◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇
■地域再生行脚100 -No.97-
             ~河ふぐ~【天竜 榊原商店】
新年あけましておめでとうございます。古川です。今回の
行脚は飛騨の「河ふぐ」について書きましょう。
●うちのまちを有名にしたい
●多くの訪問客でにぎわうようにしたい
●特産品をたくさん売りたい
●全国で注目されるイベントを開催したい
 先週の週刊町おこしで小林が書いたものを引用しました
が、常に我々が申し上げているように「独自固有の価値」
を「一番化」していくことが企業経営においても町づくり
においても大切です。「うちの町では柿が有名だけど、あ
まり知られていないしな~」というときは食品加工、パッ
ケージデザインや情緒的ストーリーの作成を含めた商品力
強化とそれを販売していく営業力の強化が必要になります
がよくあるのが・・・・。
「何もうちの町には何もないんです」
という声の場合はどうしたらよいでしょうか。
 実は「何もない」から「何か作り」そこの名産地になっ
たものは多くあります。もともと産地として代々歴史的に
有名だった場所というのはかえって少なくて、誰かが想い
たって作り上げ、その地域の名を上げていくことが多いの
です。
 その一例を行脚にて出会ったのでご紹介をします。
先月ですが、岐阜県飛騨市の株式会社ネット河合が運営す
るYuMeハウスにて「河ふぐ」料理を頂く機会がありま
した。実は、河ふぐとはアメリカ原産の「アメリカンチャ
ネルキャットフィッシュ」という名称でようするに「なま
ず」です。見た目は悪いのですが、平成4年に当時の岐阜
県知事、梶原氏が太鼓判を押して「飛騨名物 河ふぐ料理」
と命名したそうです。平成7年には下関のトラフグと河合
村の河ふぐが味の勝負を行うなど、味は本場フグに負けな
いほどで、淡白ながら歯ごたえが楽しめます。
地元のお母さんの明るく楽しい接客に心も温まりました。
料理長兼支配人の暖かいお出迎え。料理の開発に込められ
たストーリーを伝えられ、情も湧いてきます。
「これさ、私達が山いって取ってきたんだ~。」
と山菜と河フグの絶妙のコンビネーションにはこれこそ
この地域独自固有だ!と思えるものでした。
「河ふぐ」先ほど書きましたが、これはなんと知事スキャ
ンダルの筆頭の岐阜県元知事が命名。素晴らしいものを残
してくれたと地元の人は語り、知事に感謝。
しかし料理については私は舌鼓を打ちました。もちろん外
来種であり、養殖ですが、飛騨市(旧河合村)の気候と水
そしてそこに暮らす人が育てたのです。グロテスクな外見
に可愛い名前をつけて親近感を創出。開発15年。料理も
オリジナリティーに飛んでいます。料理長独自の「から揚
げ」「さしみ」「しゃぶしゃぶ」「煮物」などなど絶品で
した。何もないからの商品化のプロセスはバッチリです。
確かに、ここならではの「素材」では確かにないかも知れ
ません。それをいえば下関のフグも「素材産地」ではなく
「ブランド産地」なのです。素材を地域の人が育て、地域
の人が愛し、そして伝えていく。
http://www.netkawai.co.jp/
ホームページでは少々まだ説明力(ストーリー説明)が足
りない感がありますが、ここのお母さん、そしてここの料
理に出会えば、地域独自の固有価値に出会えるでしょう。
すぐ近くには自然美で有名な「岐阜県自然公園天生峠」も
あります。是非どうぞ。
何もないはチャンスです。
     →地方・地域にこそ「美しい日本」の宝あり
          本年も宜しくお願い申し上げます。
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○執筆者紹介 古川 大輔(ふるかわ だいすけ)
経歴は農学部卒、同大学院卒で船井総研入社。昨年度か
ら大学院時代の専門を活かしながら、地域創造・活性化
チームを創設。現在「名もなき市町村のブランド化戦略」
に挑戦しており、常に「持続可能」と「利潤追求」の2
つのテーマを追求している。特に、林業・山村の活性化
と国内の材木需要の掘り起こしに全国を奔走している。
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