第220号 氷山理論

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  第220号 発 行:株式会社船井総合研究所
       事務局:TEL 03-6212-2930 小林 祐司
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        今週のコンテンツ
■ 今週のまちおこし─『 氷山理論 』
■ 地域再生行脚100 -No.69-
  摩擦係数を減らす ~まちおこし勉強会in 東京~
◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇
 ■ 氷山理論
 こんにちは、小林です。ホテルや旅館に行った際に、
まず目に飛び込んでくるのが、商品・接客・お店の装飾
など(目で確認できるもの)ですが、これに対して事業
コンセプトや企業理念など、お客さまからは簡単には見
えないものもあります。見えるものと見えないものの相
互の関係は、「見えるもの」を「見えないもの」が支え
る形で成り立っているといえます。「旅館を建築すると
きは、外装や内装(目で見えるもの)は必ず経営者の理
念や事業への想い(見えないもの)が反映されたものに
なる」と言えばわかりやすいでしょうか。
経営理念やコンセプトが、企業の製品や店の雰囲気など
を司り、支えているという考え方は「氷山理論」といわ
れ、これは事業の成り立ちに関する考え方のひとつです
が、仕事の現場でこの理論がいかに大事かに気づかされ
ます。
 氷山理論があてはまるケースでは、何故施設の商品や
メニューがこういった内容か、この価格か、これだけの
品揃えか、ということが経営理念や事業コンセプトから
一貫して伝わってきて、お客さまはそれを見て「この施
設は一言でいうと『●▲』だな」と施設側の訴えること
を無意識に感じ取ってくれます。これはお客さまの満足
度向上や店への理解度向上につながり、お客さまを固定
客・信者客にする確率をグッと高めます。
 事業の経営相談といって、よくホテルや旅館に直接お
伺いして経営者と話す機会があります。最初に施設を一
通り見させていただくのですが、ここでだいたい2つの
パターンに分かれます。ひとつは、施設のあらゆるもの
(商品、サービス、内装、飲食メニューなど)が、経営
理念や事業の考え方からほぼ説明できる上述のケース。
もうひとつは、それが説明できず、氷山理論が全く当て
はまらないケースです。店の看板、玄関の雰囲気から売
店商品の内容などに統一感がなく、一体何を「ウリ」に
しているのだろうか、お客さまに何を訴えたいのだろう
かと感じるケースです。実はこういう施設はあまり業績
が良くないケースが多いです。
 氷山理論は、事業に限らずまちおこしにも当てはまり
ます。普通は無意識に機能しますが、どこかの段階で全
くチグハグになっていき、担っている本人たちも「何が
何だかわからないまちおこし」となっている事があるよ
うです。
皆さんのまちおこしは氷山理論がうまく当てはまってい
るでしょうか?遠くから来られたお客さまにまちをよく
理解してもらうため、クチコミをしてもらって、さらな
る新規客の訪問につなげるためにも、一度再確認してお
きたいものです。(小林 祐司)
★氷山理論は、よく耳にする「氷山の一角」とは意味は
全く違います・・・。混同する人は少ないでしょうが、
かつて勘違いしてた私のような者もいるとなんですので
念のため。(^^)
————————————————–
○執筆者紹介 小林 祐司(こばやし ゆうじ)
 船井総研入社以来、地域活性化、社会貢献をキーワー
ドに業務活動を行う。自治体、民間企業を問わずにコン
サルティングを続け、寝る間も惜しんで全国を奔走して
いる。モットーは「コンサルタントは、業績上げてナン
ボ!」
◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇
■ 地域再生行脚100 -No.69-
  摩擦係数を減らす ~まちおこし勉強会in 東京~
みなさんこんにちは!!今回の行脚100は定例になりつ
つある、まちおこし勉強会(東京)で登場した、まちおこ
しのポイント、摩擦係数という面白い概念をお伝えします。
■ まちおこしの秘訣はアイデアの創出、抵抗勢力の刷新?
勉強会で話題になることといえば、やはり
「どうしたら 地域活性化するのか??」
という点です。では、どうすればよいのか、実は勉強会は
真っ二つに割れました。
一つのグループは、、
「それは、アイデアだよ。斬新で、地域の宝を見つけ、磨
くアイデア発想こそ、大切だよ!!」
といい、
二つ目のグループは、、、
「違うよ、大切なのは、抵抗勢力を減らすことだよ。アイ
デアを持っている人はたくさんいるけど、抵抗勢力がなく
ならないんだよ!!」
と主張します。
どちらが、正しいのか?
もちろん、どちらも正しいと思います。しかし一つ気付い
たことがあるのです。それは、比較的小規模な地域にいる
人がアイデアを主張するのに比べて、大規模な自治体は抵
抗勢力のことを気にしている。
そこで、ふと普段のコンサルティングの原則に立ち戻り、
気付いたのです。
■ ポイントは規模にあり!!
それは、規模の問題でした。
我々がコンサルティングを行うとき、もっとも気にする指標
の一つにその企業の規模があります。
例えば、50人下の中小企業の場合、もっとも大事なことは
こちらが斬新なアイデアを企画部門として提案することです。
もちろん、企画の原案のようなものは経営者が既にもってい
ることが多く、その実現がメインテーマになりますが、あく
まで現実化させて、イメージしていただくことが重要です。
しかし、1000人以上の大企業の場合は、事情は全く異な
ります。多くの場合はそういった企業は、内部に企画部のよ
うな部署を持っており、多くの企画原案はかなり具体的な部
分までイメージされています。
しかし、抵抗勢力が多くて実現がままならない。そこで我々
は、かれらの抵抗勢力をいかに納得させるか、そのための方
策を考えます。
目的は、一つ。それは企業に新しい風を吹かせて活性化させ
ること。しかし、目標は、一方がアイデアの創出であるのに
対し、一方は、抵抗勢力を減らしていくことにあります。
例えて言うならば、小さな玉を転がすためには、まずは背中
を押す、つまりアイデアやモチベーションを提供することが
重要なのに対し、大きな玉を転がすためには、摩擦係数を減
らして転がりやすくしてあげることが大切になる、というこ
とです。
■ まちおこしもケースバイケース
まちおこしでも事情はそれほど変わりません。
個別差はあるにせよ、大規模な地域は、やることは明確であ
るのにできないジレンマを抱え、小規模な地域は、やる気は
あるのに、その具体的な実現の方法がわからない、というジ
レンマを抱えているのでしょう。
まちおこし、と一言にいっても、置かれている状況や、地域
の特性によって必要なポイントは様々です。一度、規模、と
いう点に注目して、今、貴方の自治体に何が必要であるのか
を考えてみるのもよいかもしれませんね。
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○執筆者紹介 杤尾 圭亮(とちお けいすけ)
 船井総研入社後、地域ブランド創造チームの創設する。
これまでに、多くの地域を行脚し、地域活性化の核をさが
し続け、多くの地域の活性化に携わっている。
現在は、特にPFIのアドバイザリー業務によって、地元
の、地元による、地元のための公共事業として、地域完結
型のPFIを提唱し、コンサルティング業務として進めて
いる。
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