第192号 商圏人口

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  第192号 発 行:株式会社船井総合研究所
       事務局:TEL 03-6212-2930 小林 祐司
       E-mail:info@machiokoshi.net
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        今週のコンテンツ
■ 今週のまちおこし─『 商圏人口 』
■ 地域再生行脚100 -No.42-
                  ~上海雑技団~
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 ■ 商圏人口
 こんにちは、小林です。さて、皆さんのまちにはどれく
らいの人口が存在するでしょうか。20万人以上といった
都市部や2000人程度のところなどそれぞれのはずです
が、地域内人口はまちおこしをどうやって進めるかについ
て、メチャメチャ重要です。適当に考えていると、商業施
設を造った後に、確実に後悔するはずです。これを商圏人
口といって船井総研が最も大事にしている要素ですが、今
日はその商圏人口の話です。
 あるまちの例ですが、商圏人口が3000人のところに
何と必要人口は10万人の施設を建てていました。当然観
光シーズン以外は売上がおいつかず、周囲をとりまく経営
環境の悪化もともない、リニューアル後は毎年赤字となっ
ていました。さて、こんなときはどうすればよいでしょう
か。
 このような場合は、間違いなく商圏を広げます。業態・
業種ごとに必要な商圏人口はきまっているので、どこまで
広げれば必要な人口になるかを確認して、新たなエリア設
定を行うのです。場合によっては、2時間離れた場所から
もお客さまを呼び込まねば事業が成り立たないということ
がありますが、よほどの規模か特異性(差別化要素)がな
い限り、こんな長距離のお客さまは日常的には呼び込めな
いため、構想段階であれば事業を変更するか、既にスター
トしている事業であれば、平日・土日・観光シーズンなど
で戦略を大胆に変えて対応するようにしています。
 先日、ある地方でやはり「商圏人口が地元だけではとう
てい足りない」と言う話になりました。既に商業観光施設
は稼動しており、さてどうする?という会議になりました
が、当然「商圏を広げましょう。土日には車で一時間かけ
てでもお客さまに来てもらいましょう。」とお伝えしてき
ました。広げるだけではお客さまは来てくれないので、そ
の分施設の満足度を運営努力で高めねばなりませんが、こ
れがまず現実的な考え方です。その後会議は進み、商圏拡
大、施設満足度向上、平日と土日の施策を分ける、などの
事業方針が決まりましたが、今後はこれまでとは大きく違
う運営手法をとるため、半年程度は血のにじむような努力
が必要になります。
 こういった話は新しいご支援先を訪れる度によく出ます。
全国のまちおこしには、まだまだ明確な商圏概念というの
が薄いのが現状のように思えます。皆さまのまちはどうで
しょうか。対象商圏の設定とそれに沿った事業戦略が組ま
れているでしょうか。小さなまちおこしから大きなまちお
こしまで、どんな規模であってもこの考え方は必要です。
もしまだなら、一度自分のまちについてこのあたりを考え
てみてはいかがでしょうか。「どう考えても地元やその周
辺だけでは人口が少ない」というのであれば、迷うことな
く商圏サイズを広げることをお勧めします。(小林 祐司)
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○執筆者紹介 小林 祐司(こばやし ゆうじ)
 船井総研入社以来、地域活性化、社会貢献をキーワー
ドに業務活動を行う。自治体、民間企業を問わずにコン
サルティングを続け、寝る間も惜しんで全国を奔走して
いる。「農」を通したまちおこしの研究も進めている。
★このホテルは広告・宣伝や販促活動の反応が高まって
きました。半年前から続けてきた情報発信の効果をジワ
ジワと実感しています。(^^) 
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■ 地域再生行脚100 -No.42-
                  ~上海雑技団~
こんにちは、古川です。12月2~4日と会社の部署研修
で上海に行って参りました。「あっというま」に上海でし
た。関西空港から入国手続きの面倒くささを除けば沖縄に
いくのと変わらないくらいですね。今回の研修視察箇所は、
・上海国際汽車城(F1サーキット場)
・IKEA(スウェーデン家具生活雑貨店)
・上海雑技団
・全身マッサージ(個人的)
です。新天地という古い町並みを生かした上海で最も人気
のトレンディースポット(ショップ、レストラン、バー)
があるのですが、時間の都合でいけなかったのが残念でし
た。さて、今回は特に上海雑技団の感激をお伝えしたいと
思います。感激したというのは誰でもがいえる感想ですが
その感激の深さというのが今回お伝えしたいことです。
1)商品力×ストーリー×演出力=感動
2)プロ意識の徹底さ(失敗への対応力)
この二つについて書きたいのですが、その前に、この雑技
団の「雑技」そのものの「曲芸」について描写しましょう。
恥ずかしながら、私が最初にイメージしていた雑技団は「
仮設ステージでのサーカス」でしたが、まったく違いまし
た。2000名ほど入る専用のホールで、ひとつひとつに
ストーリーのあるパフォーマンスを繰り広げてくれました。
「技」というのは、例えば、仰向けになって両手両足で布
キレを廻したり、皿を廻し続けたり、-180度に曲がっ
た腰を維持しながら火がついた蝋燭カップを両手両足、額
と口とにバランス感覚保ちながら静止するとか、舞台上か
らぶら下がる布に絡まりながら足だけで繋がる男女二人の
空中芸や、小学生にも満たない女の子の空中回転とか、バ
トミントンラケット6つのお手玉、ボール7つの地面お手
玉をする、などなどとにもかくにも「サーカス」というか
「曲芸」なのですが、それが単発の単なる芸はなく、そこ
のストーリー、ミュージックが加わっていまして、非常に
観客の感動をそそるように出来ておりました。
たとえば、天井からの紫色の太い布に絡まりながら、男女
も絡まり、愛を表現するのですが、足と足だけで空中を舞
い、また、女性が片足だけで男性を支えながら空中を飛ぶ
のは圧巻ですが、そこでの情緒的な音楽と体全体による感
情表現というのは、私の心が非常にとろけてしまいました。
(芸+技)×ストーリー×音楽=感動
こんなところでしょうか。地域に当てはめましょう。
商品×ストーリー×演出力=感動 
ともいえるでしょう。とにもかくにも「雑技団をみずに上
海を語れない」そう思えました。そして冒頭に書いた「プ
ロ意識」についてですが、実は大きな大きな見せ場にてこ
んなシーンがありました。大きめの椅子を斜めに重ねなが
ら、そこで、男性6名が上っていき、最終的には、全員が
その斜めの椅子の上で逆立ちをするバランス芸がありまし
た。しかし、これが一度、最後の最後まで来て、失敗した
のです。
緊張は会場とステージとどちらにもありました。
「まさか」と思ったのですが、直ちにやり直していたので
す。その団員たちの顔は無言。戦慄的な雰囲気がありまし
た。芸の内容は、言葉でしか表現できないのですが「そん
なことできるの?」という曲芸中の曲芸です。一度目の失
敗のとき、我々は「もうそこまでしてくれれば、十分だよ」
という涙ながらも思ってしまう芸です。
しかし、そう。直ちにやり直しているのです。音楽はリピ
ート。もう二度とは失敗できないでしょう。そのとき、だ
れもがつばを飲んだことでしょう。場も不安な気持ちでみ
ているのです。空気は透明で冷たく、また、会場の温度も
冷え切るほどの場でもありました。お客様の前で「失敗」
を見せた。しかし、それを「失敗」で終わらせては帰らせ
られない。直ちにやり直す。そう、直ちに。そして、成功
するのです。
無論わざと失敗したという説もあるでしょう。そう思うの
は辞めておきたいものです。とにかく失敗に対してのチャ
レンジ。「姿勢」が感じられるのです。基準となる「芸」
のレベルの高さはさることながら、失敗への再挑戦に対す
る「スピード感」「真摯さ」そこに「プロ意識」がもっと
も感じられたのです。練習・訓練・その背景にあるものを
想起することもできるのです。
あぁ、これが「プロ」というものか
あぁ、これが「お金をもらう」ということか
自分たちの仕事に対する取り組みの甘さに、私は気づきま
した。「まちおこし」すなわち「まちむらの資源」を「商
品」として、そこに訓練と練習を重ねながら「お金をもら
う」商品として昇華する。ただ昇華するのみならずストー
リーと演出力を加える。それでこそ「人をまちむらに呼べ」
て「お金にかえる」ことができるのでしょう。ホテルへの
帰りのバスで弊社社員と語りあいました。「あぁこれなら
いくら払ってもいいね。」そうお客様に思われる「まちお
こし」そして、いろんな人に感動を与える「仕事」を目指
したいと感じたのです。(古川大輔)
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○執筆者紹介 古川 大輔(ふるかわ だいすけ)
経歴は農学部卒、同大学院卒で船井総研入社。今年度か
ら大学院時代の専門を活かしながら、地域創造・活性化
チームを創設。
現在「名もなき市町村のブランド化戦略」に挑戦してお
り、常に「持続可能」と「利潤追求」の2つのテーマを
追求している。
特に、林業・山村の活性化と、国内の材木需要の掘り起
こしに全国を奔走している。
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