第184号 客単価発想

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  第183号 発 行:株式会社船井総合研究所
       事務局:TEL 03-6212-2930 小林 祐司
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■今週のまちおこし─『 客単価発想 』
■ 地域再生行脚100 -No.34-
          ~ミズーリ州ブランソン(2)~
◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇
  
 ■ 客単価発想 
 こんにちは、小林です。先日の話ですが、「最近、観
光客が減ってるんだよね~」とある商業観光課の課長さ
んがおっしゃいました。「町全体に落ちるお金も減って
るんですか?」とお訪ねしたところ、「それはわからな
いけど、多分減ってると思うよ」ということでした。そ
の後、民間のホテルの経営者とお話したのですが、やは
り客数は少し減っているけど、客単価が上がっているの
で、結果的に売上はあまり落ちていないという話でした。
 よく自治体の方とお話をする際に、観光入込み客数が
減っているから、なんとか増やしたいという話が出てき
ます。その通りなのですが、上に書いたホテルのように
その分単価が伸びていて、売上事態は変わらないという
こともあります。地域に落ちるお金(売上)は、当然な
がら客数×客単価です。民間企業をご支援していると、
集客数は増えているが、客単価が下がっているため、ま
たは客数は減っても客単価が上がっているため、結局売
上は変わらないというように、当たり前のように売上を
「客数」と「客単価」で考えます。また当然利益がでる
かどうかもシビアにチェックします。
 確かにまちおこしで観光客がいくらお金を落としたか
というのは明確に出しにくいものですから、その部分の
話が出にくいのもわかりますが、あまり考慮されていな
いのもいかがなものかと感じることがあります。観光入
込み客数を意識するのを当然として、もうひとつの大事
な要素、「客単価」を上げる施策というのもたくさんあ
ります。飲食、お土産、宿泊など、地域内のすべての商
品・サービスについて言えることですが、次の項目を付
加すれば、そのぶん客単価は伸びていきます。
 ◆商品のおいしさ、サービスの快適さをアピールする
 ◆商品の原材料や製作過程、建物であればどんな想い
  で建設したか、などのこだわりをアピールする
 ◆生産者・製作者の顔写真とコメントをアピールする
 ◆作成過程を物語やマンガ仕立てでストーリーだてて
  訴求する
 ◆商品やサービスでイベントを行なう
などなど、価値や満足度をアピールすることで、今まで
商品名と値段だけを示していた状態(業績が伸びないお
店などに典型的な状態)と比べて、お金を使っていだた
けたり、サービスを購入してもらえたりする確率は確実
に高まり、観光客ひとりあたりの客単価も高まっていき
ます。
「観光客は増えてるけど、みんなお茶だけ飲んで通りす
ぎてしまうんだよな」ということがあるならば、実は通
りすぎられる仕掛けしか施されていない可能性がありま
す。一日に5人までしか予約を受け付けないけど、値段
は一人一泊10万円という高級旅館は、ある意味究極の
客単価主義です。その分高い価値をアピール・実現して
しっかりと業績をあげています。地域活性化は観光客を
呼ばねば始まらないという一点ばりではなく、少ない観
光客数でもたくさんお金をおとしていただく、という発
想も町全体を活性化する立派な考えだと思います。
                   (小林 祐司)
 ————————————————-
○執筆者紹介 小林 祐司(こばやし ゆうじ)
 船井総研入社以来、地域活性化、社会貢献をキーワー
ドに業務活動を行う。自治体、民間企業を問わずにコン
サルティングを続け、寝る間も惜しんで全国を奔走して
いる。現在は「農」を通したまちおこしの研究も進めて
いる。
 
★客単価が伸びているのは、お客さまの満足度があがっ
ている証拠、集客もリピーターが多いというのも高い満
足度の証拠です。果たしてみなさんのまちはどうでしょ
うか?(^^)
◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇
■ 地域再生行脚100 -No.34
          ~ミズーリ州ブランソン(2)~
こんにちは、古川です。行脚34はアメリカ、ミズーリ
州ブランソンの第二回をお伝えしましょう。先月21日
から25日に渡って、アメリカのブランソンに行ってま
いりました。詳しくは先々週の「週刊まちおこし」をご
覧頂ければ幸いです。今回は、そのブランソンにおいて、
ロシア人のショーについてお伝えしたいと思います。
□■ブランソンとは・・・・(前回同様)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ブランソン市。ミズーリ州。地理的にアメリカのど真中。
人口約5000人。ショッピングモール、劇場が多く立
ち並び、遊園地もあるファミリーやリタイヤー向け観光
地で、バス釣りのメッカでもある。年間観光客数700
万人。約50ほどある劇場は、平均1000~2000
席の客席があり、コメディー、カントリーミュージック、
有名歌手などジャンルは様々。興行収入ナンバーワンの
ショーは「SHOJI TABUCHI」という日本人のショー。大
学卒業後、バイオリンと300$だけもってアメリカに
渡り、30余年。全米でも劇場の興行収入3位である。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■Yakov Smirnoff鑑賞
ヤコヴのショーは笑いと涙が満載でした。ショーの中で
のセリフから鑑みるに、「ショージ・タブチ」をライバ
ル視して意識していることから、彼もロシアという国外
から単身でアメリカにわたって成功したエンターテイナ
としてブランソンを代表する成功者の一人なのでしょう。
この今のポジションを築くまでの努力、野心は人並なら
ぬものだとショーを通して感じ取ることができました。
 きっと苦しかっただろう通ってきた道に対して、優し
いアメリカ人へ、そしてアメリカという国家のもつ自由
と権利に感謝していました。今の私(ヤコブさん)があ
るのも、アメリカという国家のよさが下地にあるといい、
ブランソンの人、ブランソンに来る人たちにも感謝して
いました。その感謝の気持ちというのがショーに一貫し
て流れていたコンセプトであったと思います。ショーの
開始はアメリカ国歌の斉唱であるし、シメも第二の国家
といわれる歌でした。
 ロシアでの苦渋の生活を笑いにとり、そこから開放さ
れた自分を笑いと感激の「劇」として投影し、アメリカ
そのものに感謝をしていました。ほぼ一文無しだった若
いころ、アパートの管理人が彼の賃貸料を出し続けてく
れたそうです。それはかつてその管理人も昔にお金を出
してくれてお世話になったことがある人がいて、その人
への恩返しをあなた(ヤコフさん)にしているのですと
いっていました。だからこそ、今、観客みなさんに恩返
しをしたいというのがこのショーの主張でもありました。
そうはいっても、しかし、殆どが、EXPLOSIVE LAUGHTER
(爆笑的な笑い)ばかりでした。会場は殆どがリタイヤ
の老夫婦でしたが、彼らは30秒に1回は腹を抱えて笑
っていました。ヤコブさん自らが、アメリカのプレシデ
ントを演じ、観客に任意に質問を受けて答えるシーンが
あったのですが、そのすべての答えがウィットに富んだ
即興ものであり、魅力的でした。
ちなみにここも、先々週に書きましたような、販売戦術
に様々な工夫がみられ、Tシャツ販売も茶目っ気がたっぷ
りでした。
最後にまとめてみたいと思います。ヤコブさんから学ん
だことというのは、「笑い」+「その地域への感謝」と
いうことでしょう。地域に対して多くの外から来た方々
が、そこにIターンして成功するということがあります。
その地域に何らかの感謝をして、そこで成功しているの
でしょう。対して、人は都会へ集まり、東京の雑多の中
で孤独ながらも成功するというシーンがあります。しか
し、このブランソンという都市もアメリカのニューヨー
クと比較すれば比べることのできないほどの田舎の町で
す。人と人のつながりが自慢の日本の様々な田舎の地域
の自慢でしょう。外から来た人に感謝してもらえる人間
関係を大切に築くことが大切ではないかと感じました。
長野県小布施町の地域づくりで一世を風靡し、現在も大
活躍中のセーラ・マリ・カミングスさんのように、他の
地域から来た方で、常に日本・小布施の人に感謝してい
るという気持ちを表してくださる方もいます。こういっ
た関係性があるというのは、非常にうれしい関係ですね。
感謝しあえる関係を地域と地域に。ロシアとアメリカで
あってもそれは一緒なんですね。そうまとめて今回の行
脚日記を終わりたいと思います。(古川大輔)
◆【ヤコブさんのショー】
 ⇒ http://www.yakov.com/ 
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○執筆者紹介 古川 大輔(ふるかわ だいすけ)
経歴は農学部卒、同大学院卒で船井総研入社。今年度か
ら大学院時代の専門を活かしながら、地域創造・活性化
チームを創設。
現在「名もなき市町村のブランド化戦略」に挑戦してお
り、常に「持続可能」と「利潤追求」の2つのテーマを
追求している。
特に、林業・山村の活性化と、国内の材木需要の掘り起
こしに全国を奔走している。
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