第182号 転換点

───全国のまちおこしを応援する注目メルマガ!────
  ┏─┓┏─┓┏─┓┏─┓┏─┓┏─┓┏─┓
  │週││刊││ま││ち││お││こ││し│
   ┗─┛┗─┛┗─┛┗─┛┗─┛┗─┛┗─┛
  第182号 発 行:株式会社船井総合研究所
       事務局:TEL 03-6212-2930 小林 祐司
       E-mail:info@machiokoshi.net
────────────────── 1,825部発行───
***************** 大 好 評  *******************
   ●○●○「週間まちおこしHP」○●○●
        http://www.machiokoshi.net/ 
これまでのメルマガ情報に加え地域ブランド創造チームの
情報が大幅にプラスされました。
★1.百行脚レポート ⇒ メルマガだけではお伝えでき
ない情報が満載。隠れた成功事例も多数レポートします!
★2.170号を超えるメルマガ・バックナンバーあり!  
    ◆http://www.machiokoshi.net/◆ 
*****************************************************
        今週のコンテンツ
■今週のまちおこし─『 転換点 』
■ 地域再生行脚100 -No.32-
           ~ミズーリ州ブランソン~
◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇
  
 ■ 転換点  
 こんにちは、小林です。景気の復活が鮮明になってき
たというニュース・記事が連日見られるようになりまし
た。企業の設備投資、国民の消費動向、過去最高益を更
新する企業利益の数々など、いくつもの指標が景気の上
向き加減を示していますが、最近まで不景気だ、不景気
だとの声が聞こえていたのも事実です。どこかにその転
換点なるものがあったはずで、今ではどうやら「200
2年だった」というのが定説になっています。
 さて、この転換点。景気という外的要因だけではなく、
自分達の自治体や企業の取り組みなどの「内的要因」に
も存在します。こちらは自ら引き寄せることができます
が、一体それにはどうすればいいのでしょう。まちの振
興策を練り直す、企業の販促戦略を確立する、やり方は
何通りもありますが、あらゆる策に共通してやることが
あります。「まず、一歩目を踏み出す!」ということ。
 頭の中に漫然とイメージされ、日ごとに現れては消え
ていく様々なアイデアを実行に移すとでも言いましょう
か。ただの1つでもいいのです。弊社でご支援している
企業でも何はともあれ実行に移すことで、良かれ悪しか
れ結果がでます。結果から次の策を講じることを繰り返
すと、短時間に驚くほどの成果がでるのです。
 かつて、読売巨人軍の終身名誉監督の長嶋氏は、打撃
不振で悩む若手選手が相談に来た際に、「打ちたければ
バットを振ればいいのさ」と、あっさり言い切ったそう
です。「そうか!そうだよな!」と衝撃が走ったがごと
く感じ入ったその選手は、以来、迷ったらとにかくバッ
トを振ることを心がけ、今では球界を代表するバッター
になりました。
 地方企業からは、まだまだ好景気にはなっていないと
の声が聞こえてきますが、転換点は必ずやってきます。
もし皆さまがどうしても現状を打破できない状況や、不
安があるようでしたら、場合によっては「まずバットを
振る!」の信条で、一歩を踏み出してみてください。結
果を見つめ直し、次の一手につなげることで3ヶ月後、
半年後、1年後、どこかで必ず「思えばあの時が転換点
だったな」と言えるときが訪れるはずです。
                   (小林 祐司)
 ————————————————-
○執筆者紹介 小林 祐司(こばやし ゆうじ)
 船井総研入社以来、地域活性化、社会貢献をキーワー
ドに業務活動を行う。自治体、民間企業を問わずにコン
サルティングを続け、寝る間も惜しんで全国を奔走して
いる。現在は「農」を通したまちおこしの研究も進めて
いる。
 
★いち時期減っていた体重が、再び増加してます。それ
もすごい勢いで。これもひとつの転換点・・・。(- -)
◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇
■ 地域再生行脚100 -No.32
             ~ミズーリ州ブランソン~
こんにちは、古川です。行脚32はアメリカ、ミズーリ
州ブランソンです。先週21日から25日に渡って、ア
メリカのブランソンに行ってまいりました。日曜日の夜
にはシカゴ周りで帰国しましたが、個人的に初めてのア
メリカ大陸でして感激もひとしお。名もなきアメリカの
町「ブランソン」の視察ツアーは非常に有益で、是非メ
ルマガの読者様にもこの情報と感動を共有できたらと想
い、執筆をしたいと思います。長くなりますがお付き合
いいただければ幸いです。
□■ブランソンとは・・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ブランソン市。ミズーリ州。地理的にアメリカのど真中。
人口約5000人。ショッピングモール、劇場が多く立
ち並び、遊園地もあるファミリーやリタイヤー向け観光
地で、バス釣りのメッカでもある。年間観光客数700
万人。約50ほどある劇場は、平均1000~2000
席の客席があり、コメディー、カントリーミュージック、
有名歌手などジャンルは様々。興行収入ナンバーワンの
ショーは「SHOJI TABUCHI」という日本人のショー。大
学卒業後、バイオリンと300$だけもってアメリカに
渡り、30余念。全米でも劇場の興行収入3位である。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
地域づくりのヒントがすべて結集している。そんな町ブ
ランソン。
日本の「地域づくり」と米国の「地域づくり」。その決
定的な違いはなんでしょうか。「地域」を人口3~5千
人規模の市町村と定義した場合、どのようなことが想像
でき、どんな地域創造活動をしているのでしょうか。そ
れを知りたくて、私は日本の常識を捨てて、裸になって
アメリカ合衆国のブランソンという町を体験してきまし
た。海外視察のポイントは、
1)素直に感動して、受け入れる
2)日本で適用できるか考える
3)日本で適用できなければ代替を考える
例えば、これの日本を自分の地域、故郷、愛する町、応
援する村、などと当てはめてよいでしょう。とにかく、
アメリカのブランソンで感じたことは、あまりに多くて
ひとつに集約できることはできませんが、どうしてもお
伝えしたいことを「3つ」の視点からお伝えしたいと思
います。
■老夫婦の特徴
 「とにかく遠くても来る町!ブランソン!」
 ある歌劇場でのことです。とある白髪のおじいちゃん
が私に声をかけてきました。ノースダコタから奥様と来
たそうですが、ブランソンまで距離にしたら1000km
ほどはあります。丸一日かけて車でやってきたそうです。
話の途中、奥様と見られる方がやってきて、笑顔でこの
おじいちゃんに「This is my wife 」と紹介されていま
したが、それがなぜか私にはうれしかったのです。夫婦
愛ですね。
そう、このブランソンのショーを見に来る客層と商圏は
この老夫婦に象徴されるのです。車で、丸1日から2日
かけて来ているのです。滞在は4~5日間。ショーは4
~5箇所見る。そんなアメリカの老夫婦の特徴をまとめ
てみました。
1)おシャレ
2)陽気で明るい
3)活動的
4)時間的ゆとり
5)お金がある
         +なぜか「おデブちゃん・・・」
そう、この違いがブランソンという町を日本に生まれな
い「差」なのかもしれないと思ったのです。日本人の老
夫婦に、これだけのお洒落な人はいるでしょうか。これ
だけ陽気な人がいるでしょうか。これだけ時間をゆっく
り楽しんで使っているでしょうか。お金を自分の笑顔と
健康のために使っているでしょうか。文化の差異性とい
う一言で片付けたくはないですが、ひとまずこの事実は
非常に大きいのです。例えば、あるショーでは老夫婦の
お客様が立ち上がってダンスをするのです。日本人だと
ギックリ腰になってしまうのではと思うほどの腰使い。
コメディなショーに対しても、スレていない素直な笑い
が何度も爆発的におこるのです。
本当に笑顔が絶えないのです。私がみたところ劇場の占
有率は6割程度(平日)でしたが、そのうち9割はリタ
イヤーの老夫婦です。中には杖をつきながらも、立って
踊る方もいるほどです。信じられません。
これから、日本もリタイヤ人口が増えるでしょう。お金
を持った団塊世代がこれから何に興じるか。この世界へ
の投資は、お年寄りの笑顔への投資であるべきだと思う
のです。だからといって、短絡的に、これからは団塊世
代向けのレジャーが地域づくりを制する。そう考える短
絡ビジネスマンには寂しさが伴うものですが、重要なの
は笑顔と次の茶目っ気づくりです。
■商売っ気と茶目っ気
そこで思ったのです。アメリカといえばビジネス、ビジ
ネスといえば金、お金にする嫌らしさが必要な部分もあ
るでしょう。いわゆる商売っ気です。ゆえにアメリカこ
そお金をどう得るかしか考えなければ、偏見がぬぐえな
かったのです。しかしこのブランソンに限ってこの偏見
を取り除かなければならなかったのです。様々なところ
で垣間見られる茶目っ気が結果として商売っ気となって
いるに過ぎないのだと思うのです。ブランソンの町は、
笑顔ばかりなのです。
とくにショービジネスの世界を見ると、笑顔の先にビジ
ネスがあって、ビジネスの先に笑顔があるのではなかっ
たのです。私は「ほんと抜け目ないなぁ」とただ感心す
るばかりでしたが、そして、老夫婦たちの楽しそうな笑
顔をみればそれは明らかでした。
ひとつ具体例を挙げましょう。
1)ショーを大画面で観客を写す
2)参画型のイベントにしている
3)すぐさまDVDとして講演後に販売する
4)DVDやCDなどの購入者には出演者が直接サインする
5)出演者が入り口まで出てきてくれる
「さ~て、みなさん、先ほどのショーのDVD がここです
ぐできます!買っていただいたら、なんと○○が直接サ
インをしますよ~。」自分が写っていたら買うでしょう。
また直接サインをしてくれるならと思うのです。ショー
チケットだけでは粗利が低いため、いかにお土産品を買
わせるかが利益率アップのキーを握るわけですから、非
常に重要なことです。スターの口癖を書いたTシャツも
暗闇にするとその文字が光るからまた面白い。ちなみに
「日本から来た」といったら、笑顔で「俺たちを日本に
つれてって!」と笑顔で返してくれました。とにかく笑
わせて、心境を緩ませて、財布も緩ませる仕組みがうま
いのです。お客様を喜ばせることを忠実に行っているの
です。この親近感は、日本人のタレントにない暖かさで
しょう。
■ 施設復元+エンターテイメント
シルバーダラーシティーという遊園地があります。これ
は、昔の復元という演出ですが、それらはみな+αの楽
しさ、ワクワクを追加した形に小さく変化しているので
す。日本の場合、例えば、忠実に江戸時代を再現するこ
とのみに集約して、楽しさを見せることを置き去りにし
ているかもしれないのです。その点が大きく違います。
さらに、例えば、○○金山、○○銀山などが日本にはあ
りますが、日本の場合は、歴史博物館と化してそれ以上
の楽しみが少ないのですが、このブランソンの場合は、
店作り、話題づくり、音楽、演出に工夫があり、「廃れ
感」を徹底して排除しているのでした。この開拓村シル
バーダラーシティーは約250万人の観光客がやってき
ます。それは、同じ日本にもある「鍾乳洞」を見せるの
にも、案内人がやはり面白いし、歴史+笑いの両方を提
供しているのです。
すべてがディズニーランドとか、楽園とかいう笑いの世
界へと化す必要はありませんが、地方だから駄目、地域
だから駄目ということは、決してなさそうです。結局、
人が集まる肝を抑えているかどうか。観光客にうける基
本、笑顔をどう創出するかということに集中しているか。
一番化して「笑いのショー」をどれだけ集約しているの
か。それが日本の地域づくりに、足りない点のような気
がしました。私が気に入る町村というのは、「笑顔」、
「笑い」が非常に多いと改めて気付くことになりました。
どんどん笑顔を創出して、ほかの地域に負けない笑いを
作って人を呼ぶ。それが、一番大切ではないかと思った
ブランソン視察ツアーでした。(古川大輔)
◆【ショージ・タブチさんのショー】
⇒ http://www.shoji.com/ 
—————————————————
○執筆者紹介 古川 大輔(ふるかわ だいすけ)
経歴は農学部卒、同大学院卒で船井総研入社。今年度か
ら大学院時代の専門を活かしながら、地域創造・活性化
チームを創設。
現在「名もなき市町村のブランド化戦略」に挑戦してお
り、常に「持続可能」と「利潤追求」の2つのテーマを
追求している。
特に、林業・山村の活性化と、国内の材木需要の掘り起
こしに全国を奔走している。
◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

地方創生セミナーのご案内

コンサルタントコラム

ページのトップへ戻る