第155号 広がる温泉需要

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   第155号 発 行:株式会社船井総合研究所
       事務局:TEL 03-5434-7656 小林 祐司
       E-mail:info@machiokoshi.net
──────────────────── 1,866部発行───
        <<<今週のコンテンツ>>>
■今週のまちおこし── 広がる温泉需要
■通算150号達成記念!新連載「地域再生行脚100」
    -No.06 『黒川温泉 旅館同士のつながり』
■船井総研からのお知らせ
─────────赤字削減のための簡易診断コンサルティング  
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■ 広がる温泉需要
 こんにちは、小林です。先週、東京駅を降りたところで、す
ごい人込みに出くわしました。好奇心で人込みの中に入ってい
くと、日本温泉協会主催の「旅と温泉展」が開催されていて全
国の温泉や温泉知識の情報などが所狭しと並んでいました。仕
事帰りのビジネスマンはもちろん、ご年配や若い女性など幅広
い年代の方が温泉のパンフレットや観光ガイドなどを熱心に見
入ったり、資料を持ちかえったりしていました。親しくさせて
いただいている温泉協会の専務が会場にいらっしゃったので、
「盛況ですね。」と声をかけると、「ここ数年温泉への関心が
益々高まっているようです。」とやや上機嫌でお話しされてい
ました。
 日本人にとって温泉は古くから非常に馴染み深いもののせい
か「温泉」と聞いたたけで「行ってみたい」、「のんびり過ご
したい」といったある種憧れにも似た感覚を抱いてしまいます。
温泉という単語には日本人のDNAを刺激するものがあるのか
も知れません。それを反映してか、温泉でまちおこしに成功し
ているケースは全国に山ほどあります。有名な成功温泉地域は
もちろん、低迷しているとされる地域内でも上手な経営で勝ち
組として評判になっている旅館やホテルはたくさん存在します。
 さて、その温泉。旅館やホテルだけでなく日帰り温泉やスー
パー銭湯といった様々な業態を加え、不景気と言われていた時
代から今この瞬間も新規の開業が多いのが現状です。今週北陸
に調査に行ったのですが、その都市周辺だけで昨年の後半から
新たな施設が何件もオープンしましたし、調査中に「天然温泉
掘削中」と宣伝した大きなボーリングのやぐらを見かけること
もありました。
 温泉は顧客ターゲットとして、基本的に老若男女を問いませ
ん。さらに2007年には、「団塊の世代」がいよいよ定年を
むかえ余暇時間を多く持つようになるだけに、エンドユーザー
側の利用は今以上に膨れ上がり、新たな温泉需要がやってくる
ことも期待されます。冒頭に書いたように、温泉は必ず受け入
れられます。間違いなく数年後には温泉でまちおこしできる地
域はたくさん生まれるでしょう。今、温泉を持っているところ
はもちろん、これから温泉を掘るところも含めて、皆さんのま
ちがこの波にうまく乗れるように応援しています。(小林祐司)
 
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○今回の執筆者紹介 小林 祐司(こばやし ゆうじ)
 船井総研入社以来、地域活性化、社会貢献をキーワードに
業務活動を行う。自治体、民間企業を問わずにコンサルティ
ングを続け、寝る間も惜しんで全国を奔走。手がけた業務に
は「温泉でまちおこし」というものも多い。
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■ 地域再生行脚100 
      ~成功の秘訣、そして 今その地域は・・・
-行脚06『黒川温泉 旅館同士のつながり』
 こんにちは、地域ブランド創造チームの杤尾です。さて本日
お送りする行脚06は、黒川温泉のお話。今では、超有名温泉
の黒川温泉ですが、以前は閑古鳥がなく小さな温泉街だったそ
うです。何が彼らをここまで大きくしたのか。それは、ハード
ウェアである町並みの統一に加え、ソフトウェアの、町の人が
作り出す雰囲気にありました。
○”目に見えない雰囲気”の重要性
 黒川温泉で、第一に目を奪われるのはその景観。町全体が黒
と白を基調とした”純和風”のつくりになっていて、外れてい
るものが見当たりません。
 例えば、雰囲気のある場所でもちょっとした路地裏などに入
ると統一性が崩れてしまうようなところがよくあります。しか
し黒川温泉の場合は、ちょっとした路地裏まで、手の込んだス
トーリー性のある看板などで統一されています。ある意味独特
の世界観であり、和風のディズニーランドのようなイメージで
しょうか。
 ディズニーランドの強さは、圧倒的なハードであるとともに
それをささえるソフト(人)の雰囲気にあります。ディズニー
ランドの従業員のあの笑顔は、他の遊園地ではまねできません。
そしてディズニーランドがそうであるように、黒川温泉でも圧
倒的な人気を支えるのは、ソフトウェア”=目に見えない雰囲
気”でした。
 
○理想郷のような温泉街
 黒川温泉でも、ある試みによって”黒川らしさ”を醸してい
ました。ある試みとは、これまでは非常に仲が悪かった旅館主
同士が、歯を食いしばって仲良くなったことです。
 通常、旅館主同士は、隣の旅館に客が入れば地団太を踏んで
悔しがり、温泉協会などでもまったく意見が合わないことが多
いといいます。しかし黒川では、仲のよさを作り出すことで黒
川温泉郷全体として「黒川温泉らしさ」を演出したそうです。
 例えば広告に旅館名を入れるのでなく、「黒川温泉」という
名前をアピールするようにする。また、既に非常に有名な話で
すが、地元の木材を用いて「温泉通行手形」を作成し、黒川温
泉内のどの旅館にも3つまでは入浴できるようにする、といっ
た方法が温泉全体の仲のよさがこれにあたります。様々な立場
の人が関わるのがまちおこしだけに、こういった取り組みは並
大抵のことではなかったと思われます。
 このように、現実には難しい状況を理想的な状態を設定し、
それにむけて努力する。そして各旅館がその役目を完全に演出
しきったときに、初めてその雰囲気が生まれたのでしょう。
 有名な町に行くと、どうしてもその圧倒的なハードウェアに
目が奪われがちですが、それを支えるソフトウェア、さらにそ
れを創りだした”人”にこそ、最大の秘訣があるのだと再確認
しました。
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○執筆者紹介 杤尾 圭亮(とちお けいすけ)
 船井総研入社後、地域ブランド創造チームに志願し、創設に
情熱を注ぐ。現在は、地域再生行脚100を実践し、成功事例
を求めて全国を渡り歩く武者修行中。その成功ノウハウの定着
・浸透の手法には定評がある。
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■ 船井総研からのお知らせ
 ◆赤字削減のための簡易診断コンサルティング
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 ●赤字削減の為、皆様の施設はどう取り組んでいますか?
 
  船井総研が数々の成功事例と照らし合わせ『赤字削減』
 を目的とした施設の簡易診断を実施いたします。
  診断では、可能な部分から業績を改善できるよう
 「効果実証済み」の成功事例をご紹介。施設として今後
 どういった考え方・行動が必要かをご提案いたします。
ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
・お問い合わせはお気軽に ⇒ TEL:03-5434-7656
  ⇒ e-mail:info@machiokoshi.net
  まちおこし編集長(小林)までどうぞ。
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