第153号 地元以外の人から見れば

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   第153号 発 行:株式会社船井総合研究所
       事務局:TEL 03-5434-7656 小林 祐司
       E-mail:info@machiokoshi.net
──────────────────── 1,863部発行───
        <<<今週のコンテンツ>>>
■今週のまちおこし── 地元以外の人から見れば
■通算150号達成記念!新連載「地域再生行脚100」
    -No.04 『愛媛 内子町にみる地域おこしの魂』
■船井総研からのお知らせ
─────────赤字削減のための簡易診断コンサルティング  
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■ 地元以外の人から見れば
 北海道の倶知安(くっちゃん)町をご存知でしょうか。札幌
市から西へ50kmほどのところにある小さな町ですが、20
03年度に同町を訪れたオーストラリア人観光客の延べ宿泊者
数(人数掛ける宿泊日数)は約23,500人で、2001年度の十
数倍になっています。町中にはオーストラリアからの観光客が
増え、本当にここが日本なのか?外国ではないか?といった状
態まで生まれています。
 理由は雪。「ここの雪質は世界一」というクチコミがネット
などから広がり、スキー観光客が急激に増加したのです。オー
ストラリア人は日本と違って、休暇ととる際は10連泊程度が当
たり前といったところがあり、おかげで宿泊業界もおおいに潤
い、これを軸とした外人案内サービスの導入や英語の話せるス
タッフの採用など新しいビジネスと雇用の動きも広がっていま
す。
 現在、コンサルティングの仕事で毎月北海道に行っています
が、雪は地元の人にとっては雪かき作業や交通を寸断するなど
どちらかというとやっかいもの扱いされています。しかし東京
から行く立場で見れば、圧倒的な雪原風景と膨大な積雪量は非
日常的でとても魅力的なものです。
 倶知安町にしても、まさか自分たちにとっては当たり前の雪
が、遠く太平洋を渡った南半球の人たちにとっては、大勢で押
しかけるほどに魅力的なものだとは夢にも思っていなかったよ
うです。現在ではオーストラリア人にとって北海道で新鮮な雪
に包まれながらスキーをすることが憧れになっていて、町もこ
の観光客なくしての振興は考えられないほどになっています。
 
 元々は北海道にほれ込み住み着いたオーストラリア人が、自
国に北海道の魅力を紹介したことが発端でした。今ではクチコ
ミ効果で冒頭述べたような状態になっています。
 以前に書いたことがありますが、まちおこしで地元の魅力を
アピールしようとしたときに、地元と地元以外では視点や価値
の捉え方が大きく違うことがよくあります。観光客にとっては
自然そのものが魅力的であっても地元の方々がそうは思わない
ために、需要と供給、魅力の伝え方と求め方にミスマッチが起
こってしまうのです。
 東京のオフィスで「明日から北海道に出張に行く」というと
「北海道?いいな~」なんていう意見も出ます。「北海道の何
がいい?」と尋ねたら、相場は決まって「だってすごい自然と
雪景色でしょう。美味しい食べ物もたくさんあるし、うらやま
しい」という答えが返ってきます。どれも北海道の方にとって
は当たり前のものばかりですが、やはり外部の立場で見れば、
地元には当たり前のものこそが、まちおこしに重要な要素だっ
たりするようです。
 どうでしょう。倶知安町の話題は今非常に有名になってきて
ニュースでよく紹介されていますが、実は全国のまちおこしで
も同様の要素が非常にたくさんあります。皆さんのまちももし
かしたら魅力的な要素が足元に転がっていることだってあるの
ではないでしょうか。(小林 祐司)
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○今回の執筆者紹介 小林 祐司(こばやし ゆうじ)
 船井総研入社以来、地域活性化、社会貢献をキーワードに
業務活動を行う。自治体、民間企業を問わずにコンサルティ
ングを続け、寝る間も惜しんで全国を奔走。最近まで「徹夜
の小林」と言われていた…。
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■ 地域再生行脚100 
      -行脚04『愛媛 内子町にみる地域おこしの魂』
 こんにちは、地域ブランド創造チームの杤尾です。さて本日お
送りする行脚04は、愛媛県、内子でも超有名な農村直売所、”
からり”の情報をお伝えいたします。
○利益率が20倍以上になる農家
 内子の農産物直売所”からり”の素晴らしさは、その施設、商
品、人全てに溢れています。しかしどのように言葉を尽くそうと
も私の感動は伝わらないですね。まさに「100聞は1見にしか
ず」。そこで細かい描写は他の記事に譲り、その素晴らしさを数
字でみてみましょう。
 例えば、生花を売り物にしていた農家があったとします。皆さ
んが購入する、花屋さんでの値段はおおよそ100円/1本程度
、これが農協で取引されるときは1円/1本程度しか入ってきま
せん。つまり流通過程で99%の費用がかかってしまっているわ
けです。これに対して、”からり”で直販すれば、30円/1本
程度で販売できます。つまりもし、100本の花があれば、、、
(30-1)×1000-5000円(準備)=24000円
が農協に卸すよりも儲かるわけですね。
○成功のコツは”厚み”にあり
 これをみて皆さん、”なーんだ、簡単だ”と思われませんでし
たか?私も見るまではそう思っていましたが、これ、なかなか難
しいんです。特に高齢者の多い農家にとって
  1.携帯メールをつかって売上チェック
  2.ラッピングをして商品づくり
  3.価格設定
  4.POSシステムでバーコード作成
などのなれない作業は非常に重荷になり、継続できないのではな
いかと感じてしまいました。実際、多くの農村が”からり”を真
似し、そして失敗しています。なぜでしょうか。
 それは多くの場合、表層的なハードインフラの物まねにおわっ
てしまい、そのソフトインフラである”魂”を作り出すことを忘
れてしまったからではないでしょうか。
 前述したように、”からり”の成功にはその洗練されたシステ
ムが大きく関係しています。しかしそれ以上に、長い時間かけて
培われてきた農業に携わる人々の思い、魂がそのベースにあるの
だと私は感じました。
 実は、内子では”からり”の試みが始まる数年前から”知的農
村塾”という農家の有志による勉強会が行われ、農業の問題、そ
の将来性について熱い議論が繰り広げられていたと言います。”
からり”という直販所は、こういった議論を数年間続けた結果、
農家側から生み出されたアイデアであり、農家側がその必要性を
つよく認識されたからこそ、継続され成功したのでしょう。
 つまり、ハードのシステムは、それを支える思い、魂といった
ソフトが初めて成功する、ということでしょう。
 市町村合併と遂げた内子町、今後の”からり”の更なる発展を
期待してやみません。
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○執筆者紹介 杤尾 圭亮(とちお けいすけ)
 船井総研入社後、地域ブランド創造チームに志願し、創設に
情熱を注ぐ。現在は、地域再生行脚100を実践し、成功事例
を求めて全国を渡り歩く武者修行中。その成功ノウハウの定着
・浸透の手法には定評がある。
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■ 船井総研からのお知らせ
 ◆赤字削減のための簡易診断コンサルティング
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 を目的とした施設の簡易診断を実施いたします。
  診断では、可能な部分から業績を改善できるよう
 「効果実証済み」の成功事例をご紹介。施設として今後
 どういった考え方・行動が必要かをご提案いたします。
ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
・お問い合わせはお気軽に ⇒ TEL:03-5434-7656
  ⇒ e-mail:info@machiokoshi.net
  まちおこし編集長(小林)までどうぞ。
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