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■ 些細なことにこそ こんにちは、小林です。先週は日付け変更線を行き来していま した。普段から徹夜したりするせいか、時差ボケなるものはほと んどなく、飛行機の中は常に爆睡でした(喜んでよいのか・・・)。 さて、今回は日本を発つ前の成田空港での出来事をご紹介しま す。飛行機に乗る前にちょっとした用事でANAのお客様案内カ ウンターをたずねました。 用事はすぐに終わり、離陸まで2時間ほどあったので、空港内を ブラブラしていましたが、後になってサービスカウンターにボー ルペンを忘れたことに気づきました。ただ、安価な普通のボール ペンだったので、「まぁ、いいか。」とそのままに。 その後、離陸時間が近づいたので搭乗ゲートに向かい、いよい よ飛行機に乗り込もうと、機体の入り口まで来たところで、ちょ っと離れた後ろから呼び止められました。 振り向くと先ほど案内サービスで対応してくれた方が、空港警備 員と一緒に走って近づいてきました。警備員が近づいてきたので、 「何か怪しまれることでもしたかな?」と一瞬戸惑いましたが、 次の瞬間言われたセリフは、「お客様。サービスカウンターにボ ールペンをお忘れではないですか?」でした。 そのときは、お礼を言って急ぎ飛行機に乗り込みました。その 後ちょっと考えました。案内サービスカウンターは、広大な出発 ロビーの端っこにあり、搭乗ゲートまでの距離は、200~300mあ ります。 自慢になりませんがボールペンは高価なものでも何でもなく、自 分自身も気づきながらそのままにしていたくらいのものなのです。 別にそのままにしても誰も何も言わない状況の中で、案内サービ スの方は雑多な人ごみを抜け、はたして持ち主に届けられるかど うかもわからない状況の中、息を切らして届けてくれたのです。 そのことを思うと感動すら覚えました。 まちおこしでも「感動」とい言葉はよく目にします。その場合、 感動的な風景や歴史遺産といった具合に、特別に大掛かりですご いことをイメージしがちですが、今回の例のように些細なことで も人に感動を与える事だってあると思います。 逆に些細なことだからこそ、「まさか!わざわざそんなことのた めに?」という意外性からより感動してもらえ、記憶に留まるこ ともあります。 まちおこしも、特別すごいことばかりを追い求めるのではなく、 何気ないことの中に「えっ!わざわざありがとう!」と感動して もらえるようなこともあるはずなのです。ちょっとした些細で日 常的なことにも、そんな可能性が秘められていると感じました。 (小林) ——————————————————– ○今回の執筆者紹介 小林 祐司(こばやし ゆうじ) 某建設コンサルタント会社にて地質調査を担当していたが、 調査中に環境問題意識に目覚めて退職し、インドに渡る。 インドではNGOのボランティア活動を通じて食糧問題へ の関心が高まり、帰国後生協に入社、地域密着の生協活動を 担当。 その後退職して船井総研入社。現在週刊まちおこし編集長。
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