第085号 事前情報→価値↑

■ 事前情報→価値↑
 こんばんは(このメルマガを書いてる時間帯のご挨拶です)、
日江井です。
 先日、日本三大古泉のひとつといわれる有馬温泉(あとのふた
つは和歌山の白浜湯崎温泉、愛媛の道後温泉です)に行って来ま
した。っと言っても休暇ではなく、あくまでも仕事です。
 仕事の一環(?)で、神戸市が運営している温泉施設に入るこ
とにしました。
入湯券を購入しようとしたとき自動販売機に、『金の湯・銀の湯
・太閤の湯殿館共通入館券』なるものを発見し、これはお得と早
速購入しました。
 共通入館券とは、温泉2ヶ所の入湯に加え、有馬の温泉の歴史
を展示してある展示館を拝観できるもので、セットで購入させる
ことで割引をしているのです(ちなみに割引率約28%)。地域
の観光施設の連携を図るうまい方法だな、と感心しつつ、名湯を
楽しませていただきました。
 さて、温泉入浴のあと、何の気なしにその展示館に入ったとこ
ろ、その中身は豊臣秀吉が実際に使っていた岩風呂の遺構があっ
たり、昔の蒸し風呂や庭園が再現されていたりと大変興味深いも
のでした。
 展示館に入る前と後で有馬の町を見る目が変わってしまい、
『もしかしたら、ここにも秀吉がいたのかな?』と、その時代に
タイムスリップした気分で、すっかり有馬温泉通になった気分に
なっていました。
 そのとき、ふと以前ヨーロッパ旅行に行ったときのことを思い
出しました。その旅行の最終地がイギリスで、最後の最後に大英
博物館を見ました。大変すばらしい展示物に圧巻されていたとき
に、『ヨーロッパ、いや世界の歴史を展示してある大英博物館に
行った後に他の国を回っていれば、そこら辺の石ころも実は大変
有名な遺跡と分かったかも?』と感じたことを思い出しました。
『事前に情報を知らせること』。このことは、お客様に感じてい
ただく価値観を高めるのに非常に重要な方法ということなのです。
 事前に情報を得ることにより、そこでの楽しみ方や利用方法を
イメージ化し疑似体験することができます。せっかくの楽しみ方
を知らずに見落として通過してしまう心配もなくなります。
また現在のお客様は、モノやサービスを購入したり、受けたりす
ることよりも精神的な満足感を求める傾向が強くなっています。
事前体験は、その一環でもあるのです。
 最近の観光行動は、ホームページや情報誌などで情報を収集す
るケースが多くなっていますが、事前に得られた情報が濃ければ
濃いほど興味がわいてきますし、具体的なイメージもわいてきま
す。
 これからは、現地に来ていただいたお客様をどのようにもてな
し、満足させるのかということだけでなく『どれだけ事前に適確
な情報を提供し、楽しんでいただくか』ということにも一考して
いただければと思います。
なんでも体験や購入する前が一番ワクワクして楽しいと思いませ
んか?(日江井)
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○今回の執筆者紹介 日江井 泰宏(ひえい やすひろ)
某都市計画系建設コンサルティング会社を経て、株式会社船井総
合研究所に入社。「マクロで物事を考え、ミクロに行動する」こ
とをモットーに即時業績向上・目的達成と組織体の体質改善の継
続的な仕組みづくりを目指したコンサルティングを行う。
<得意分野>
●販売戦略立案(ターゲット、販路、販促、ツール等)
●施設活性化コンサルティング(売上・モチベーション向上)
●店舗開発企画プランニング

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