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普段利用しているJRの通勤電車の中に、先月から鳥取、島 根といった山陰地方をアピールした広告がはられるようになり ました。 毎年この季節になると日本のどこかの都道府県を集中的に宣伝 し、今後の旅行シーズンに集客しようという試みのようですが、 この広告は結構うまくできているなと感じています。 その気がなくともいつの間にか最後まで読んでしまい、なんと なくその地方に行きたい気分にさせられます。 広告やチラシを利用して何かを宣伝する際、関係者の顔写真 やイラストを載せる方法は、最近定着しつつある「顔の見える 安心野菜」と称して生産者の顔写真、コメントつきで野菜を販 売することと同じで、一般に見る側の親近感を高める効果があ ります。 電車の広告も同じ手法を取っていて、心がなごむ風景写真はも ちろん、そこに生活する住民たちが微笑みながら自分の生活の ことを話している内容は、何だか物語を読んでいるような、そ れでいてなつかしい感覚を覚えさせてくれます。 この広告は、JRが自前で制作しているとのことですが、毎 年同じ手法を用いているところを見るとその効果は高いようで す。 ここで焦点を当てている内容は、どこにでもある素朴な風景や 普通の人々の生活だったりすることは、まちおこしを考える上 でも興味深いといえます。 まちの魅力を伝えようとするときに、立派な集客施設や大掛 かりなイベントが必ずしも必要なわけではないのです。無理せ ずとも、自分たちが普段当たり前のように接している地域の日 常の中にこそ、個性や魅力が潜んでいるのではないでしょうか。
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