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以前とある地域で、新技術や新商品の拡販を自治体の補助金 を受けてお手伝いをしていた時のことです。 「この技術はこれまでの●◎よりも▲×が良いんだよ。なのに なんで売れないんだろうか。」という社長の言葉に、私はしば し考えさせられました。 確かにその技術は日本で初めて実用化したものでしたが、ま ったく売れていませんでした。日本で初めての技術、優れてい る技術が必ずしも売れるとは限らないのです。 『この世に存在するものは、必要だから存在する』。 当たり前だろうっ!!、というツッコミが入りそうですが、毛 虫やゴミブリ、そしてタトゥーも(ファンの方スイマセン)必 要だから存在するのです。 必要でなくなったら、淘汰されます。これは良い悪いという議 論を超越した自然の摂理なのでしょう。 商売でもセブンイレブンに代表されるように、売れているも のでなければ、死に筋商品として淘汰されていくのです。 いくら「売りたい」、「作りたい」といっても、売れるもの、 つまり買い手がいるモノではないと取引・交換が成立しないの です。 このことは、各地域で生産・販売されている特産品や農水産物、 ベンチャー技術・商品が思うよう売れないと言う状況にも当て はまります。 作り手の論理でいくらハイレベルであっても、必要以上の技術 ・サービス・特典は不要ということです。 買う人が買いたいと思える機能や価値を提供できるモノであ り、そのことが消費者に伝わって初めてモノは売れます。売れ なけば、どんなに苦労して作ったものであっても、決して報わ れないのです。 せっかくの良い技術や商品を淘汰させないために、マーケテ ィングがあるのです。 (日江井)
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