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最近は戦争、SARSと暗い話題が多く、明るい材料の少ない観 光旅行。低迷する年間市場規模もなかなか回復してきません。 こういう時こそ船井流長所伸展法です。「伸びているものを さらに伸ばすとうまくいく」という原理原則にしたがい、伸び ているものを探してみました。 旅行代理店最大手、JTBが発行している「JTB宿泊白書」 を見ていくと、宿泊料金帯別に宿泊人員の推移を示したデータ があります。これによると、確かに国内宿泊観光旅行の市場全 体は厳しい状況にありますが、料金帯別に見ると、宿泊費5,000 円以下と30,000円以上は1999年頃から明らかに伸びています。 価格帯の上と下の需要が伸びて、中間価格帯は縮小する…二極 化とも呼ばれるこの現象は、旅行業界に限ったことではなく、 さまざまな消費分野で起きているのです。 成長した消費者は、合理的に安く済ませても良い時は、トコ トン安さを追求します。かたや自分のこだわりやライフスタイ ルを実現するためなど心から納得できている時は、いくらでも、 といっては大袈裟かも知れませんが、かなり気前良く高額支出 をしているのです。 ですから、いま業績の良いところは、この消費者の変化に上 手に対応してマーケット拡大の波にのっているところで、業績 不振のところは、その対応が遅れ、中途半端な縮小マーケット の中にいる、という見方をすることもできるのです。 もうひとつ言うと、今マスコミでは「デフレ」という言葉が 毎日のように出てきていますが、安くなければ売れないという ことでは決してありません。前述の宿泊費で言うと、一番伸び 率が高いのは、実は40,000円以上の価格帯なのです。 価値のある本物を提供し、消費者を心から納得させることが できれば、高額であっても売れていく。そんなマーケットが拡 大しているということを念頭に、まちおこしの方向性を考えれ ば、また違った答えが出てくるかも知れません。(望月)
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