第043号 自分のことはわからない

 さて、ちょっと質問があります。次の漢字の読み方をあてて
ください。
(1)無花果
(2)鯵
どうでしょう。読めましたか? 答えは(1)が「いちじく」、
そして(2)が魚の「あじ」です。
 ひょっとすると毎日この漢字を見ている人なら、当たり前の
ように読めるかもしれません。でもそうでない方でふたつとも
読めた方は、結構少ないのではないでしょうか。
 昨年末から新潟県次第浜の加治川河口付近にアザラシが出没
しているそうです。一目見ようと多くの見物人が訪れ、町名を
取って「セイちゃん」か、川の名の「カジちゃん」か、と愛称
論争も起きている聖篭町。
 この話題が新聞やインターネットでニュースになったのをご
覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、ところでこの聖
篭町、なんと読むのでしょうか。
 気になって検索エンジンの辞書ページで漢字をそのまま検索
して、役場のホームページの中をよ~く探して、ようやく「せ
いろうちょう」と読むことが判明しました。
 こういう場合は仮名をふって読み方を示したほうがよいと感
じるとともに、正直言って「もったいないな~。」と思いまし
た。
 インターネットや新聞・雑誌などの文字情報は、音がないの
ですから、漢字の読み方がわからないと、何かの情報を得た人
が他の誰かに口コミしようにも、町の名前を伝えることができ
ません。これはその町の宣伝にとって少なからず損失と言えま
す。
 町のホームページを作成した側としては、自分の町名は毎日
見聞きしているもの。珍しくもなんともないかも知れませんが、
初めての人はそうはいかない場合もあります。
 このような地元と他の地域のギャップは、町名に限ったこと
ではありません。地元の人は「この●●は日本一だから、全国
の多くの人は知っているだろう。」と思っていたら、実は知っ
ているのは地元だけだった、なんてことは時々ある話です。 
 また毎日当たり前のように接し、目のあたりにしている地元
の人には、それがまちおこしにとって有効な材料かどうか見え
なくなることもしばしばあるようです。
 自分たちのまちは、地元以外の人からはどう見えているので
しょうか。機会を見つけて聞いてみれば、思わぬ発見や意外な
盲点、効果的な町のPR方法が見つかるかもしれません。
 (小林 祐司)
◆聖篭町役場⇒ http://www.town.seiro.niigata.jp/

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