第020号 一体化が大事

 市民農園というものをご存知でしょうか。自治体の所有する農園を使って、
市民が一定の期間、気軽に野菜づくりを楽しむことができるというもので、実
は私も最近まで市民農園で野菜づくりを楽しんでいました。先日ある新聞に私
が利用していた市民農園が写真入りで掲載されており、「市民農園は人気が高
く、一人当たり3m×4m程度の区画を得るために、抽選で選ばれる必要があ
る」ということが紹介されていました。
 市民農園には、野菜づくりの好きな人がたくさん集まり、共通の趣味を持つ
人同士のいろんな会話が生まれます。「スイカがおいしそうに育ってるねぇ!」
「うちとこで出来たトマト食べてみなよ」など、今まで名前も顔も知らなかっ
た人から突然声をかけられ、友達になってしまうこともよくあるのです。いろ
いろ話しをするうちに「今度ここで出来た野菜を持ち寄って、収穫祭をやろう
か」といったイベントのアイデアが出てきたりもします。
 同じ目的や趣味を持った人同士会話がはずみ、友達になり、みんなで何かや
ろうと一体化することは、まちおこしの成功パターンです。みなでひとつの事
に打ち込めば、それぞれにやる気やアイデアが生まれ、目標に向かって邁進す
る大きなエネルギーを生むのです。以前ご紹介した黒川温泉や西条町のカフェ
のように、人々が同じ目的のもとに一体化することで、まちおこしを成功させ
ている例はいくつもあります。やはり一体化はまちおこしを成功させる大きな
要素だと言えそうです。
 市民農園には、休日に野菜づくりを楽しむサラリーマンの方や近所の高齢の
方々、親と一緒に草むしりや収穫にくる子どもたちなど、様々な人がやって来
ます。普段の生活ではなかなか難しい、世代や立場を超えた触れ合いもあり、
いろんな会話が飛び交います。ひょっとするとどこかの市民農園で今この瞬間
にも、「みんなで何かやってみようよ」と誰かが言っているかもしれませんね。
(小林 祐司)

地方創生セミナーのご案内

コンサルタントコラム

ページのトップへ戻る