茨城県境町の「ふるさと納税」の取り組み

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■「ふるさと納税」の様々な取り組み

ご存知のように、、
ふるさと納税は2008年に第1次安倍政権下で当時、菅元総務大臣が導入した制度です。

生まれた故郷や応援したい自治体に寄付を行った際、寄付金のうち2,000円を超える部分について、約2割程度が所得税の還付、住民税の控除が受けられる仕組みです。

寄付金については自身で寄付金の使い道を指定でき、地域の名産品などのお礼の品ももらえる仕組みとなっています。

寄付額のうち約50%が経費で、残りが指定の使い道に使用されます。

年々納付額は増加傾向にありましたが、令和2年度は特に新型コロナウィルスの影響により巣ごもり消費の傾向が強く、食品など自宅で使う返礼品目当ての寄付が増え、ふるさと納税が過去最高額となる自治体が増えたようです。

(ふるさとチョイスが実施した調査で回答した836自治体のうち、年間寄付額が「前年より増加した」と答えた割合は74%となった。)

このように制度の利用者は増加傾向にありますが、まだ潜在市場規模の約20%程度と低いため、これからもまだまだ伸びていく市場だと考えられています。
(総務省「令和2年度ふるさと納税に関する現況調査について」より引用)

【境町のふるさと納税】
今回ご講演いただいた境町のふるさと納税の状況についてお伝えしていきます。

境町では、ふるさと納税に注力し始めた平成26年から平成30年度の受入額を比較すると約140%の増加率となっています。
また受け入れ額平成27年度より毎年茨城県1位、平成29年度より関東1位となっています。

このような実績を達成できている背景にはふるさと納税への考え方が影響しています。

境町がふるさと納税の重要だと考えるポイントは
「寄付額の使い道」
「使い道の寄付者理解」
「地場農家の所得向上」
となっており、お金を集めることではありません。

「寄付額の使い道」「使い道の寄付者理解」が重要な理由としては寄付金の使い道のを広く知ってもらい、境町への興味を高め、様々な施策を知って応援したくなりファンとして、リピーターになり、関係人口につなげていくことができるからです。

「地場農家の所得向上」が重要な理由は、農家の所得向上により、農家のモチベーションにつながり、ひいては流出人口を抑えることにことにもつながるからです。

境町では現在お米が一番売れています。

農家の所得向上につなげる1つの方法としてライスパックへの加工があります。古米として安くなるはずお米を通常の値段で買い取り、加工し商品化し販売することで、価格の変動が少なく安定した所得につながります。

このように農業所得を向上するためには消費者のニーズに対応した農産物への高付加価値化を行うことが重要となります。

また考え方以外にも様々な対策を導入しました。
例えば、支払い方法の拡充です。現金、振り込みでの対応が多い中で、クレジット決済やコンビニ収納を導入することで
寄付者が寄付しやすい体制にしていきました。

ふるさと納税での寄付金の多くは教育や地域振興に充てられ
地域住民へ還元されることで、定住人口の拡充につながり
人口増加につながっています。

境町での取り組みを自地域で展開するにはどうしたらよいかを考えるきっかけになれば幸いです。


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