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コロナ第三の波が押し寄せる形で始まった2021年ですが、都心のみならず各地域においても新しい生活様式への対応に迫られているところでしょう。いつの時代においても、地方の中小企業は業種・業界問わず「時流」に「適応」してまいりました。2021年も例外ではなく、中小企業にとって販路開拓や新しい需要を獲得し、業績を上げ続けるためには、ニューノーマル時代への新たな適応と進化が求めれているといわれています。
さて、そのような命題に直面する中、 ニューノーマル時代の我が国のDX状況はどのような立ち位置にあるのでしょうか。
本コラムでは、各国・地域におけるIT/デジタルツールを活用した企業活動に関する調査(総務省、2019年)を参照しながらDXの状況を概観していきたいと思います。同調査では中小企業の「IoT・AI等の導入に関する意向」について各国に対し低い導入率から順に【検討段階】、【導入~基盤化段階】、【利活用~変革段階】の3段階の調査をまとめています。その中で米国、イギリス企業、ドイツ企業の多くは【導入~基盤化段階】にあり、とりわけドイツ企業については【検討段階】にある企業は19.4%と8割の企業は初期導入段階から脱却していることが見て取れます。
一方、「日本(一般、ITAC)企業」は【検討段階】にあると回答した企業が約半数を占めており、導入~基盤化段階にある企業は他国に比べても低い傾向にあることがわかっています。つまり、国際的にみてもいわゆる「デジタル」の導入が進んでいな状況にある、と判断されます。
総務省(平成29年)「第4次産業革命における産業構造分析とIoT・AI等の進展に係る現状及び課題に関する調査研究」
さらに次に、日本国内の動向に目を向けると各デジタルツール(主にはクラウドツール)の導入状況を企業規模別にみた時の導入率報告を見て参りましょう。
「クラウド」とはインターネットに接続されたツールを指しており、最も身近なものとしてGmailやDropBoxといったインターネットに接続されていないと使用できないツールを指します。反対にWordやExcelといったツールはパソコン等の電子媒体で編集可能ですが、クラウドツールと呼ばれません。 まず結果として目に入ってくるのは、資本金3,000万円未満の中小・零細企業では、規模が大きな企業と比べるとクラウドツールの導入率が低い状況にあるという点です。資本金3,000万円以下の中小企業では51.1%、そして資本金1,000万円以下の小規模事業者は36.5%に留まっています。
総務省(令和元年)「通信利用動向調査報告書(企業編)」
では一体、どうすれば我が国における中小企業のDXは進んでいくのでしょうか。
次週では、商工業者の経営をサポートする機関として代表的な組織である「商工会・商工会議所」がどのような支援ができ、中小企業に少しでもデジタルへ移行させることが可能なのかを和歌山県紀の川市商工会の事例から学んでいきたいと思います。
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