第172号 「きれいなまち」に人は集まる

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   第172号 発 行:株式会社船井総合研究所
       事務局:TEL 03-6212-2932 小林 祐司
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        <<<今週のコンテンツ>>>
■今週のまちおこし──『 「きれいなまち」に人は集まる 』
■ 地域再生行脚100 -No.23-
              ~若手が研修をする~『役場編』
■船井総研からのお知らせ
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 ■ 「きれいなまち」に人は集まる
 こんにちは、小林です。先日あるまちにいきました。一見する
と古い町並みの残るいい感じの場所でしたが、少し歩くとゴミや
よごれが目に付き、だんだんと暗い気持ちにさせられました。少
し前まではきれいな印象があっただけに「いつからこんなになっ
たんだ?」と思ってしまいました。
 身近な例をひとつ。自宅の近所に、庭は草ボウボウで一年中ひ
と気がなく、近所の人たちで「おばけ屋敷みたい。中に死体でも
あるんじゃないか?」と噂している廃屋があったのですが、ある
朝窓ガラスが一枚割られていました。見えなかった内部が少しだ
け覗けるようになり、通りかかる誰しもがガラスの中を覗き込む
ようになったのです。そのうち、さらに一枚のガラスが割れ、数
日後にはドアが破られるといった事が起こりました。ここ3年間
は壊されることなどなかったのですが、誰かがガラスを一枚割っ
たとたん、次々と破壊行為が発生し、同時に庭に空き缶や雑誌が
投げ込まれるようにもなりました。「他の誰かがやってんだから
自分もやってしまえ!」ということで罪悪感が希薄になり、連鎖
的に破壊行為をが起こったのでしょう。これっていわゆる「割れ
た窓理論」の典型的なケースなんですね。
「割れた窓理論」を大々的に取り入れて、犯罪減少に活用したの
がニューヨーク前市長のジュリアーノ氏です。地下鉄の落書きや
空き缶のポイ捨てといった軽犯罪を徹底的に取り締まることで、
5年かけて凶悪犯罪を3分の1にまで激減させた話は有名です。
3時間50分に一件の割合いで殺人事件が発生していたかつての
ニューヨークを考えると驚くばかりですが、治安が良くなると同
時に市民の転入も増えるようになりました。
 もう一例、荒廃した学校にこの考え方を導入したケースもあり
ます。広島県の安西高校(実は私の出身高校から20分の距離で
友人も通ってました)は、数年前まで喫煙、暴力、万引き、いじ
めが横行し、普通なら年間平均一桁の休学退学者が、ここだけは
160人にも上るといった状況になっていました。しかし赴任し
てきた山廣校長(当時教頭)は、「環境が変われば人も変わる」
と信じて、ある日から学校をあげて校内の掃除に取り組み始めま
した。廃止されていた遅刻検査を再開させるなど、他にも地道な
努力を続けた結果、今ではかつての荒廃の影は見事に消えうせて
逆に『自分の子供をあそこに通わせたい』という親達の話もでて
いるとのことです。
 最初の話に戻りますが、先日行ったまちはポイ捨てのゴミが多
く、そのせいか町全体も何となく暗く感じられました。逆であれ
ば「また来たいな」とも思ったのでしょうが、残念ながらそうは
思えず、せっかくの良い面もかすんでしまいました。紹介した2
例のように人が集う場所は間違いなく、きれいな場所です。単に
清潔というだけでなく、人々の心もきれいになった場所というこ
とにもなると思います。実際、安西高校では最初は生徒との関わ
りをあきらめていた教師陣が、学校の改善を実感する過程で自信
を取り戻し、生徒と積極的に接する気持ちを持つようになったと
聞いています。
 まちおこしには、こういった考えはとても重要だと感じます。
極端に言えば、遠くから来ていただいたお客さまと積極的に関わ
り、真心込めたおもてなしをできるかどうかが、まちおこしを左
右していくケースだってあるでしょう。まちおこしでたくさんの
観光客を呼び込みたいと思っているならば、ここはひとつ、とに
もかくにも掃除や落書き消しといった小さなことを住民と一緒に
徹底的に始めてみると、結果としてまち全体のサービスや、もて
なしの心が向上し、吸引力と満足度の高いまちになっていくので
はないでしょうか。(小林 祐司)
 ◆「割れた窓理論」
   ⇒ http://www3.kcn.ne.jp/~svc0909/bouhan/index.html
 
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○執筆者紹介 小林 祐司(こばやし ゆうじ)
 船井総研入社以来、地域活性化、社会貢献をキーワードに
業務活動を行う。自治体、民間企業を問わずにコンサルティ
ングを続け、寝る間も惜しんで全国を奔走している。現在は
「農」を通したまちおこしの研究も進めている。
 
 ★近所の廃屋には後日談があります。やはり大家がいるらし
く、こわれた窓とドアがふさがれ、庭の草木もスッキリした状
態になりました。以来ガラスは割れず、ゴミ投げもなくなりま
した。住民としては少しホッとしています。(^^)
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■ 地域再生行脚100 -No.23
             ~若手が研修をする~『役場編』
こんにちは。古川です。行脚23は、某役場内の研修です。
村づくり、町づくり、地域づくりって誰がやるのだろうか?よく
あがる疑問です。住民なのか、行政なのか、外モノなのか、学生
なのか。私はその全てが解答であると思います。色々な地域で、
色々な立場の人が関わるから地域づくりができるというのが本当
の答えでしょう。
ただ一般的には、その主体はあくまでも地域住民であり、役場職
員でもなく財団の職員でもなく第三セクターの職員でもなく学生
でもなく外モノでもないのでしょう。しかしながら、確かに財源
や権限を握っているのは、国民にとって政府がそうであるように、
町民や村民にとっては役場であり、役場職員の意識というのは地
域づくりのキーとなるのは間違いありません。
今日は、そんな役場の某若手職員の活動を紹介したいと思います。
先日私も参加しましたが、若手が主体となって開いた「役場職員
研修」なるものでした。県庁へ1年間出向して帰ってきた若手職
員(20代後半)が、役場職員向けに研修をするという内容でし
た。村内の財政危機を実感し、県庁との業務スピードの差を実感
し、自分たちの給与を他市町村と比較しその意義を考えてみたり
と様々なテーマあふれる内容で研修が開かれました。
~役場職員研修~
 村の財政危機をどう考えるか
 村と県の違いをどう考えるか
●地方自治の法的根拠を知る
  地方分権一括法、地方公務員法、地方自治法など
●給与決定原則
  1)給与条例主義 2)職務給の原則 3)均衡の原則  
●財政
 ○一般会計 普通会計 特別会計
 ○財政力指数 ○経常収支比率 ○公債費負担比率
 ○起債制限比率 ○県債依存率 ○標準財政規模
などについてが研修内容でした。しかしながら、彼によると現実レ
ベルでは職員の100%が自分の自治体の財政状況を把握している
訳ではないし、財政破綻やリストラの危機感を持っている職員が全
員であるかというとそうではないというのが現実だそうです。とい
うのも、様々な意味で挑戦することに無縁な人たちは実際にいるら
しく、組織改革がオットリしているという現状は否めないというこ
とだそうです。
私は個人的に、その若手職員とは長い付き合いであるため、これら
のことについて、真剣に表裏なく討議することを行いました。そこ
で役場職員+経営コンサルタントが真剣に語りあい、地方の未来を
どうするべきかと真摯に未来設計をしていきました。トップが動か
ないといったり、課長レベルが安泰化してしまって改革が起こりに
くいと嘆く組織は多くどこの組織でも同じ問題でしょう。しかしな
がら、自らが先導して外で研修をしてきて、それを持ち込んで内部
から改革しようとする若手職員がいるのです。一歩一歩、地方役場
の現場も変わりつつあるのです。そういう方向性をもった若手の方
々が、様々な地域で手を結び、都市の人と手を結びながら、地域活
性化の核となっていくのは間違いないでしょう。今後が楽しみです。
(古川大輔)
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○執筆者紹介 古川 大輔(ふるかわ だいすけ)
経歴は農学部卒、同大学院卒で船井総研入社。今年度から大学
院時代の専門を活かしながら、地域ブランド創造チームを創設。
現在「名もなき市町村のブランド化戦略」に挑戦しており、常
に「持続可能」と「利潤追求」の2つのテーマを追求している。
特に、林業・山村の活性化と、国内の材木需要の掘り起こしに
全国を奔走している。
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