第154号 ポケモンでだって活性化

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   第154号 発 行:株式会社船井総合研究所
       事務局:TEL 03-5434-7656 小林 祐司
       E-mail:info@machiokoshi.net
──────────────────── 1,865部発行───
        <<<今週のコンテンツ>>>
■今週のまちおこし── ポケモンでだって活性化
■通算150号達成記念!新連載「地域再生行脚100」
    -No.05 『中津江村 ~閉村式とカメルーン~』
■船井総研からのお知らせ
─────────赤字削減のための簡易診断コンサルティング  
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■ ポケモンでだって活性化
 出張で地方にいくと「東京と比べて人の数が少ないなぁ。」
としばしば感じます。当然と言えば当然ですが、極端に違いが
ある場合などはやっぱりそう思ってしまいます。でも地方にし
てみれば、何とか若い世代を増やしたいと考えているところも
多いはず。例えばどういった方法があるのでしょうか。
 先日、都内のある区が民間企業による大学院誘致の手続きを
進めているというニュースを聞きました。経済特区を活用した
試みでしたが、大学院で学ぶ内容は「アニメ」。ニュースでは
学生はもとより、関連技術を有する企業が区内に集まってくる
可能性があり、区として今後は地域活性化のためにも力を入れ
ていきたいという内容を伝えていました。
 「へぇ、そういう方法があったのか」と、ニュースの冒頭あ
たりで、内容もそこそこに感心してしまいました。自治体とい
う、どちらかと言えば「お堅い」イメージのところが、イメー
ジ的にはあまり接点がないともとれる「アニメ」について積極
的に取り組み、それを地域の発展に活用しようとしていること
がまず正直驚きでしたが、それはさておき今、日本のアニメは
文化としても技術レベルの高さにしても世界から賞賛を浴びて
おり、秋葉原周辺ではしょっちゅうアニメイベントが実施され
様々なデジタル技術の情報が飛び交うなど、とても活気に満ち
ている感があります。「ドラえもん」や「ピカチュー」が世界
の子供を魅了していることや、ゲームアニメ・アニメ映画など
のレベルの高さと市場の膨らみからも分るように、今後アニメ
産業は大きく発展していくことが予想されていて、ニュースを
聞いたとき、これらの動向をいち早く取り入れ、アニメ業界の
発展に乗っかった形で地域も一緒に活性化していこうという動
きが今までにない新しい取り組みだと感じたのです。
 UターンやIターンが叫ばれ、地元に若い世代を取り込もう
とする地域の話しはよくお聞きしますが、いくつかの話の限り
では「実現の方法がちょっと画一的かな」という気がします。
どの方法が良いということではないですが、今回の例をあては
めると、「若い世代の住民を増やしたい」ということであれば
実際の全国のまちおこしが多種多様で、かつそこに至った手段
も千差万別なことを考えても、今回のような「発展産業」に相
乗りする形も非常に魅力的に思えてきます。
 皆さんのまちはどうやって若い方々を呼んでいますか?東京
ではそれが、「ポケモン」や「3Dアニメ」という方法になる
かもしれません。方法はまさに千差万別、地域それぞれのよう
です。(小林 祐司)
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○今回の執筆者紹介 小林 祐司(こばやし ゆうじ)
 船井総研入社以来、地域活性化、社会貢献をキーワードに
業務活動を行う。自治体、民間企業を問わずにコンサルティ
ングを続け、寝る間も惜しんで全国を奔走。最近まで「徹夜
の小林」と言われていた…。
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■ 地域再生行脚100 
      ~成功の秘訣、そして 今その地域は・・・
-行脚05『中津江村 ~閉村式とカメルーン~』
 こんにちは、古川です。行脚の第5回は3月6日に閉村式を
行った、かつてあのカメルーンのサッカーチームが滞在した村
大分県中津江村になります。今、あの村はどうなった?とご興
味ある方、お読みいただければ幸いです。
○ 中津江村
「トップの行動力」と「住民の協力」、そして「継続性」
 中津江村といえばカメルーン。カメルーンといえば中津江村
というほどに知名度が上ったのは2002年サッカーのワール
ドカップでのことです。随分前のことのようで、またつい最近
のような気もします。坂本休村長のリーダーシップが、ブラウ
ン管を通し、記憶に焼きついている方も多いことでしょう。こ
の村も合併して日田市になります。今月の6日に「閉村式」が
ありました。人口1、331人、その3分の1にもあたる40
0~500名の方が閉村式に参加されたそうです。都市では考
えられないほどの参加率であり、閉村式が全国テレビ番組で放
送されるほど、注目された村は他にないのではないでしょうか。
お忙しい最中、総務課長の森本氏にお話を伺ってまいりました。
 <カメルーン誘致による活性化成功の要因>
・たまたま平成2年に完成した「スポーツ施設」があった
・これを期にと、役場内でワールドカップ合宿地誘致を企画
・村長がゴーサイン「全力尽くそう」とリーダーシップをとる
・特設委員をつくり、誘致合戦に名乗りを上げる
・近隣市町村、県外からの様々な協力
・上津江村の某ホテルからベッドを借りる等
・子どもからお年寄りまで「雰囲気」よくボランティアに参加
 <効果>
・村として、村民に計り知れない元気をもらえた
・自己負担の少ない施設改修ができた
 <今後>
・財団法人中津江村地球財団が施設を運営
・指定管理者制度を利用
・今後も「中津江村」としてカメルーンと関係を持ちたい
 サッカーに関してもそうですが、実は村長は「カメルーン」
のことを「カルメン」というほどに認知度がなかったそうです。
ただここまで知名度があがり、成功していったのは「現場のア
イディア力」、「トップの牽引力」、「周辺住民のボランティ
ア」によるところが大きかったといえるでしょう。
 森本氏のヒアリングで印象的だったのは、「こういう小さな
村はトップが、住民の意を汲み取り、積極的に外部に対してア
ピールすることが大切でしょう」というお話をされていたこと
です。村長に対して、「あのお年ですが、自ら文章を書き、本
を書き、まぁボケ防止にもなりましょうけど(笑)、それを続
けているのが素晴らしいことと思います」とおっしゃってもい
ました。
 村長の行動力についてもうひとつあります。ワールドカップ
終了後の翌年、キリン・チャレンジカップ(日本vsカメルーン)
が大分で開催されたのも、村長の行動力にありました。もとも
と他の地域で開かれる予定だったのが、大分開催になったのは
このまま疎遠になってはならぬと、川渕チェアマンへ直接一本
の電話をし、大分開催を懇願した坂本村長の行動力があったか
らだそうです。
 地域づくりは今も続いており、カメルーン大統領の出身地で
ある「メヨメサラ市」と友好親善都市協定を結んだり、今後合
併して日田市になりますが、施設を運営する財団法人に「中津
江村」という名前を残したり、地域の力強い存在感を感じます。
 現在も施設は福岡県など近隣県の方から関東の大学サッカー
部にまで利用されています。関東大学リーグでトップを走る駒
澤大学が今度来るそうです。今後「サッカー」、「ラグビー」
などの各種目で合宿地としてたくさんの方に利用してもらえる
かが課題となります。
 この緑の美しい広い芝生のグランド、また巨大木造建築の室
内練習場(トライウッド社の建築)は魅力的です。さらに地元
の農産物の加工場が場内にあるので食事も楽しそうです。大学
時代に体育会サッカー部に所属していた私も、ここでサッカー
をしたいと心がウキウキしました。サッカーを通して、今後は
「行政」に依存しないカタチで地域住民が中心となって、カメ
ルーン以外の「国」や「県」、又「学生」などと交流が広がる
と頼もしいですね。(古川 大輔)
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○執筆者紹介 古川 大輔(ふるかわ だいすけ)
農学修士。博士課程中退後、船井総研入社。有料老人ホーム、
給食委託業、リフォーム、防犯ビジネス、マンション管理会社、
注文住宅、動物病院、動物霊園など、様々な業界のコンサルテ
ィング業務に関わる。今年度から、大学院時代の専門を活かし
ながら、地域ブランド創造チームを、杤尾と共に創設。現在、
「名もなき市町村のブランド化戦略」に挑戦しており、常に、
「持続可能」と「利潤追求」の2つのテーマを追求している。
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■ 船井総研からのお知らせ
 ◆赤字削減のための簡易診断コンサルティング
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 ●赤字削減の為、皆様の施設はどう取り組んでいますか?
 
  船井総研が数々の成功事例と照らし合わせ『赤字削減』
 を目的とした施設の簡易診断を実施いたします。
  診断では、可能な部分から業績を改善できるよう
 「効果実証済み」の成功事例をご紹介。施設として今後
 どういった考え方・行動が必要かをご提案いたします。
ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
・お問い合わせはお気軽に ⇒ TEL:03-5434-7656
  ⇒ e-mail:info@machiokoshi.net
  まちおこし編集長(小林)までどうぞ。
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