第072号 180度違う視点

 暑い日が続きますが、皆様お元気でしょうか?
 先日仕事で島根県のある町に行ってきました。「温泉津」と
書きます。皆さんなんと読むか分かりますか?
・・・5秒経過、・・・10秒経過、はい、タイムアップ!
答えは、「ゆのつ」と読みます。
 名前のとおり、温泉と石見銀山の銀を出荷するために使用さ
れた穏やかな港がある、歴史の古い町です。現在石見銀山と温
泉津の町を含む周辺について、世界遺産登録の話が進んでいま
した。
 このような歴史のある町も、現在大きな問題を抱えています。
 まずは観光客の減少。広島県から漁港で有名な浜田市を結ぶ
高速道路や公共日帰り温浴施設ができた影響が大きいようです。
次は、世界遺産登録による町並み保全の規制がかかることによ
り、自由な建築や増改築がしにくくなるということです。
さらに、工場の閉鎖により、働く場所が観光関係以外はほとん
ど無いため若者の働く場所がなく、周辺の都市へどんどん出て
行ってしまっているようです。
 これらは温泉津だけに起こっていることではなく、日本の多
くの観光地(観光が主な産業となっている地域も含む)に見ら
れることです。つまり、
1.交通網の整備により、都市圏からの日帰り商圏が拡大し、宿
 泊客が減少する
2.周辺施設(観光地含む)との競合により観光客が減少する
3.地域資源保護のために私権が制約される
4.雇用の場が観光業に偏っているため、就業の場が少なく若年
 層が流出する
といった状態です。
しかしこのような状態も、180度見方を変えれば、下記のよ
うにも考えられます。
1.日帰り客をもっと積極的に取り入れよう
2.競合しない独自固有性を打ち出し、差別化を図ろう
3.地域としての付加価値を高めよう
4.観光業の定義を広く考えた事業を展開しよう(農林漁業から
 小売・サービス業までが積極的に観光客対応していく)
 物事は常に表裏一体の関係にあって、表があれば裏もありま
す。
マイナス面ばかり見ていると、やる気がうせ、夢も希望もあり
ません。しかし、180度反対側のプラス面を見ると、やりた
いことやチャンス、やるべきことがたくさん見えてきます。
 重要なことは、現状にある事実の180度反対側にあるもの
を見ようとすると、まったく違う世界が見えてくるということ。
困難だと思われていたことも解決できる、もしくは解決できる
糸口がつかめるということです。
 もしかしたら、この夏の暑さすらも、180度考え方・見方
を変えてみると、自分にとって良いことが見つかるのかもしれ
ません。(日江井)

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