第057号 使う立場・受け取る立場に立つこと

 先日、日本食糧新聞社主催によるファベックス2003に行
ってきました。
ファベックスとは、皆さん既にご存知かもしれませんが、全国・
世界各地の惣菜デリカ・弁当・外食の専門展示会です。
そこに出展していた、ある「お酢」を作っているメーカー様と
お話をしました。
 展示商品は、「酢」のみだったのですが、色々な商品の中で
「ふっ」と目についた商品がありました。
 それはりんご酢でした。実際に飲んでみると、酢のすっぱさ
の中にりんご果汁の甘味が口の中で広がっていく感じでした。
その時にふと、「純粋な飲み物としては商品販売しないのです
か?」と質問をしたところ、
「私どもはあくまでも酢のメーカーなので、飲料というように
商品を広げようとは思っていません。間口は狭いかもしれませ
んが、酢という切り口で奥行きが深い商品を提供していきたい
と思っています。」
という趣旨のことをお話しされていました。
 お話しを伺い、「素晴らしいこだわりをもたれているな!」
と思ったと同時に、正直「もったいないなぁー。」と思いまし
た。実際キリンビバレッジから『HOGUSU supli』(藤原紀香人
形がバンジ―ジャンプをするCMです)というお酢を使ったド
リンクも販売しているように、今は消費者の酢に対する感覚が
変わりつつある時にあるからです。
 自分の強みをお客様が興味を持っている形に変えて提供する
ことができれば、もっと多くのお客様に良さを分かっていただ
けることができると思います。
 地域情報を発信する際にも同様なことを見受けます。
発信する側の都合に偏ったあまりアクセスのないホームページ、
お堅い番組しか提供しないケーブルテレビの番組など…。
 何故このようなことがおきるのでしょうか?
それは作り手の立場が強すぎて使う側・受け取る側の立場で考
えていないということです。
 「そんなの言われなくてもとっくに考えてるよっ!!」とお
怒りのメールが送信されてきそうですが、考えられてはいても、
実際には使う側・見る側の立場つという行動までは行っていな
いのではないでしょうか?
 ちなみにそのような場合、ひとつカンタンに行う方法があり
ます。自分達の身近にいる「一消費者」であるご家族(旦那さ
ん、奥さん、お子さん、ご両親など)に実際使っていただき、
見ていただき、生の声を聞くということです。その声を反映し
ていけばよいのです。
 私もいろいろな仕事にからんで、妻や両親、兄弟の「生の声」
を実際に集めまわっています(最近は純粋に楽しめないという
ことを言われ、結構嫌われてるかも知れません…)。
このゴールデンウィーク、旦那さん、奥さん、お子さん、ご両
親とのコミュニケーションを兼ねて、消費者の生の声を聞いて
みては如何でしょうか?(日江井)

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