第037号 シーズン変動について考える(1)

 冬らしくなってきました。昨日は関東地方にも初雪が降り、都会でもしばし
の雪化粧を見ることができました。各地のスキー場ゲレンデからも、次々と滑
走可能の便りが届いています。
 旅行や観光、スポーツなどのレジャー行動は、日常の生活行動と違って、季
節によって大きく左右されるものが多くあります。典型的な例が海水浴場やス
キー場です。そういったシーズン性の強い観光資源を抱える地域には共通の悩
みがあります。
 それは集客の季節変動です。あまりにも利用シーズンが特化しすぎた観光地
では、オンシーズンとオフシーズンの差が大きくなりすぎ、施設や人材がオフ
シーズン時に余剰な状態になってしまいます。
 そこでどうにかしてオフシーズン対策を実施し、入込みの平準化を図ろう、
ということになります。しかしこの取組みは、なかなかうまく行かないことが
多いのです。
 観光客の多くは、その土地それぞれの季節の景色、味覚、生活、文化、活動
など、地域の個性を楽しむために訪れます。つまりそれぞれの観光地には個性
的季節感…「旬」があり、その魅力を高めるような方策は相乗効果を生みます
が、その逆はかなり難しいのです。
 多店舗展開しているリゾートホテルチェーンなどでは、冬季と夏季それぞれ
にピークを迎えるホテル間で人材を移動させながら、効率的に運営していると
ころがあります。
 一企業ではなくても、何らかの交流があればシーズンの異なる観光地同士で
人材の交流を図ったり、また同一地域内でも、スキー場とゴルフ場など夏型観
光施設と冬型観光施設間で人材移動ができる可能性があるのではないでしょう
か。
 このシーズン変動というテーマについては、また続けて考えていきたいと思
います。
(望月 義尚)

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